法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

生半可なアイロニーで超えられない右翼のリアルで打線組んだ

少女像を汚そうとする筒井康隆氏の陳腐なエッセイ - 法華狼の日記

「偽文士日録」というタイトルであることから、あえて陳腐な文士の想像力を模倣したという解釈も可能だが、それならばそれで文章が批判されることは筒井氏も覚悟していることだろう。

上記エントリを書きながら、つらつら思い出していた21世紀の出来事をリスト化しておく。


まず、今回は組織もしくは公人や著名人の問題にしぼるため、「パトラッシュ」「免税」「ソウルフード」等はベンチを温めてもらう。

1.片山さつき政調会長代理、ハムスター速報を応援する。
https://togetter.com/li/318242
2.安倍晋三首相Facebook、保守速報を引用する。
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20141126/1417130679
3.在特会、講演してもらった元日本兵が平和の大切さを語りはじめたため、批難をあびせる。
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.youtube.com/watch?v=7kYg-whpfUw
4.チャンネル桜、ニュースを聞いて届けた災害支援物資が不要と断られ、相手を批判して謝罪させる。
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20110324/1300978861
5.フジテレビデモ、掲揚されている日章旗が汚いと主張して、力づくでひきずりおろす。
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20110920/1316543729
6.地方議員団体、米国慰安婦像設置への反論で、米軍資料の読解に2ちゃんねる発の誤訳文を使用。
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20140428/1398740759
7.在ベルギー日本大使館、クマラスワミ氏との会見を光栄と表現したかどで、女性自衛官のブログを削除。
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20150716/1437178915
8.NHK慰安婦が不細工だからと少女像に紙袋をかぶせたユーチューバーの像撤去署名を、無批判で報道。
http://www.j-cast.com/2014/01/06193424.html
9.外務省、南京事件登録への反論意見書で、学問的研究の名に値しないという判決がくだされた素人から引用。
https://togetter.com/li/896728

1番打者は野党時代のツイッターでの軽い発言が、2番打者は与党になっても軽い態度が、それぞれ印象的だったので入れた。
3番打者は、在特会自身が公開していた映像を見て、唖然とするしかなかった。後に、街頭での街宣をとおりがかりの老人にうるさいといわれた時も、集団で暴行する映像を公式に公開していた*1
4番打者は、せっかく意識だけでも善行をはたらこうとしていたのに、自分で台無しにする凄まじさが記憶に残っている。左派系ボランティア団体がデマで攻撃されながらも経験にもとづき活躍していた時*2、思いつきの慈善活動が被災地の迷惑になるというカリカチュアを右派メディアが意識せず演じるという皮肉。
7番打者は、地味だが色々な意味で制約が厳しくなっている事態を象徴している。クマラスワミ氏は元国連事務次長までつとめているし、出された報告書は当時の日本政府も採択にくわわっていたのに、社交辞令的な評価まで問題視されて消されるという理不尽さ。
8番打者は、筒井氏の想像力が現実に置きざりにされている実例。筒井氏は少女像に「可愛い」という表現を用いていたが、少女像に反発する人々は欲情しえないという立場をとることが多い。もちろんそれは女性を尊重しているためではない。性的魅力がないと評価することが、価値を毀損することになると思いこんでいるためだ。