法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』#4 命の値段

今後の行動に悩む少年たち。とりあえずの収入と名を売るためにバーンスタインの警護は決定事項とし、宇宙にあがる裏ルートをとることになる。
一方、バーンスタインと子供たちはトウモロコシを収穫していた。そこにバーンスタインを追うギャラルホルンがとおりがかって……


あいかわらずバーンスタインの無知描写がやりすぎに感じられる。火星社会の設定を会話で説明したいにしても、あくまで個別具体的な買取価格だけ知らず、バイオ燃料のため穀物の価値が暴落している知識はあるくらいにできたはず。
これならばバーンスタインは火星独立運動の象徴として登場するべきではなかった。たとえば親類に独立運動の象徴がいて、人質として狙われかねないから安全な地域に移されるという発端にすれば良かった。その結果として戦いに巻きこまれ、社会の矛盾に直面して、親類の知人をかいして独立運動にのめりこむという展開でも、ここまでの物語は成立するはず。つまりは初代シリーズのセイラ・マスがジオン独立戦争に参加したらどうなるかという仮想のような展開だが。
そもそも火星に住んでいて穀物バイオ燃料に使うという設定も、まわりくどく感じられる。たとえば資材にもちいるセルロースをつくっているという設定で良かったのではないか。低重力についてはSF設定があるのだろうと目をつぶれなくもないが、ここまで火星を舞台にした意味が感じられないのはつらい。


あと、これまで好印象だったロボットアニメらしいアクションが、今回はまったくなかった。せっかくモビルワーカーという独自のロボット設定がつかわれているのに、残念ながら画面で目立たない。
せっかくならギャラルホルンとのトラブルでオーガスが飛び出した時、モビルワーカーに乗った状態でも良かったのではないか。モビルワーカーに車体を押さえられながら、ギャラルホルン側が冷静に対処できれば、よりキャラクターの格もあがるだろう。