法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Go!プリンセスプリキュア』第38話 怪しいワナ・・・!ひとりぼっちのプリンセス!

見かけない少年が春野に声をかけてきた。少年は別クラスの黒須と名乗り、友人関係にもぐりこむ。
黒須の後押しで友人がそれぞれの夢を追いかけた後、ひとり残った春野に危機がせまる……


上野ケン作画監督で作画が美麗で、力強い。アクションは冒頭でのシャットとの戦いが良かった。
物語は、なれなれしさ一歩手前でふみとどまり、適度に粗暴で魅力的な黒須がすごい。かつてのクローズは直情的だったため演技を見ていると背中がむずがゆくなったが、意外とキャラクターに説得力がある。
他人を信じる気持ちと夢を後押しする気持ち、それぞれ春野が最初から持っていることもある。時間をかけて成立してきた、物語の主題と密接な信念をつきくずしていく。
つきくずす最後の一押しがカナタという結末もおもしろい。重要そうな問題提起を今回だけで終わらせてしまうのかという不安を、意外なかたちで次回に引く。王子が姫の庇護者となり、結果的に姫の自由意思を否定してしまう、それを問題として描くことは古典的な童話への現代的な懐疑といえるだろう。
ただ、クローズの言動を聞いていると、カナタが本当にカナタ王子なのかという疑問もおぼえた。ひょっとしたら、クローズすら知らない罠だったりするのだろうか。