ウサギの着ぐるみで顔を隠した殺人者と、双生児の少女。かつて洋館で起きた事件と、新たな殺人事件。
古典ミステリの色が濃いエピソード。怪しげなモチーフと、その実態の落差が面白い。アルバムの写真がはがされていたり、窓が開いていた証言があったり、手がかりの散りばめかたも悪くない。
しかし、過去の事件内容が、双生児の一方がスズメバチに刺されて死んだというのは、真相をあからさまにしすぎていた。双生児というモチーフから、生き残った少女がかかえていた真相もわかりやすい。
たとえば過去の事件は転落死と設定して、写真に映っていたスズメバチ捕獲器は昆虫捕獲器と説明しておけば、より推理の過程が複雑で楽しくなったかと思う。