歴史ある女子学園に赴任した高校教師。美しい同僚とつきあいたいと思いつつ、それなりに真面目な教師たらんと努力しつつ、女子学生のパワーに圧倒される日々。
そんな主人公が、友人がいないことに悩んでいる少女の相談にのっていた時のこと。ふたりが噂をしていた不死の生徒が、目の前にあらわれる。
しかし不死と称した生徒は次の日、あっさり首を斬られて殺された……
不死とは何か、学校とは何か、といったテーマをSFミステリとしてまとめた、この著者らしい作品。不死性と精神操作という著者らしいモチーフが、ほぼ直球で物語の謎として置かれている。
しかし、これまでは頁数の薄さが物語のまとまりを生んでいたが、今回は真相をわかりやすくする結果になっていた。ミスディレクションできる頁数がないので、なぜ首を斬ったのか、殺されても不死になるメカニズムは何か、真犯人の正体は何か、ほとんどの真相に見当がついてしまった。
せっかく首を斬ったのだから、ミステリっぽく入れかえの可能性を検討できる死体にしても良かったろう。一応、殺人における入れかえの可能性を最初から排除していることが、とある仕掛けの可能性を想像しにくくしてはいるのだが……