先週につづいて大和屋暁脚本。今回はシャドー怪人でスタッフが消されたため、かわりに映画撮影にトッキュウジャーが協力する。
恐竜が登場することもふくめ、劇場公開をひかえた宣伝回と考えれば良いだろうか。
いつもの太秦映画村でロケするエピソードかと思いきや、ひとつの刑事ドラマをカグラ監督がメルヘンに演出し、破天荒な作品になってしまう。どの人間に怪人が化けているか探る展開かと思えば、消えたスタッフがどこに行ったかがポイントになる。そして、それぞれの要所で不思議な存在感を出していた警備員がミスディレクションに終わらず、戦闘にまで大活躍する。
予想を少しずつずらしながら、一貫性を感じさせる趣向をつらぬき、意外性と納得感が両立していた。
一種の「密室」がテーマなため物語の舞台は狭いが、だからこそ屋内セットの狭さが印象に残ったり、戦闘で主観視点を活用したりと、珍しい映像が多い。
巨大ロボ戦が大味だったこと以外、今作の大和屋脚本回で最も満足できる内容だった。