おや、野菜嫌いの4号に対して、工夫した料理で食べさせてあげようとする努力が、特に実を結ばないまま終わった。思いやりの大切さそのものは描きつつ、道徳的な話に落としこまない。子供向け番組でこの距離感は珍しいな。
今回の敵は、背信により忠誠を示さなければならなくなったノア夫人。その洗脳攻撃で、流れ弾に当たった1号が敵になってしまう。怪人の制作リソースを節約しつつ、ちゃんと幹部級との戦いらしいイベント感が出ている。コルセットで細く固定された腰に、パニエで広げた形で固定したロングスカート。そんな欧風貴族女性をモチーフにした意匠で格闘戦を演じるノア夫人が凄い。
そして洗脳による仲間割れという深刻な事態に、いつものように深刻すぎる6号だけが戦えることで、無駄に1号を殺しかねないブラックなコントになってしまう。しかも6号はあわてているため、ひさしぶりに武器を使わず戦おうとする悪癖が出たりと、画面から深刻さが消えてしまう。キャラクターの特異さを活用した、ちゃんと一貫性があるギャグ展開が楽しい。
