なやむ菓彩を、パフェのレシピッピが元気づけようとおどける。しかし菓彩はいらだってレシピッピを邪険にしてしまう。そしてスピリットルーがゴッソリウバウゾーを生みだした時、菓彩だけが変身できなくなっていた……
永井千晶脚本、志水淳児演出。楽しいハロウィン回かと思わせて、プリキュアが他人を傷つけてしまう苦しいドラマが展開される。
これまでもプリキュアがケンカして傷つけあうドラマなら何度かあった。敵の洗脳などではなく、今回と同じようにプリキュアが自身を律せなかったための衝突もふくまれる。
しかし過去に描かれたのは対等といえるプリキュア同士の対立がほとんどで、力の弱い妖精を一方的に傷つけるような展開はない。そのため見ていて意外なくらいショッキングな雰囲気があった。
ハロウィンならではのコスプレ展開でも、みんなが可愛らしくも魔物のコスチュームを選ぶなか、周囲の評価にあわせようと天使のコスチュームを選んでしまう菓彩の姿が痛々しい皮肉になっていて良い。
物語としては、ローズマリーという成熟した大人がフォローしたことと、ハラスメントをされた妖精が叱って菓彩が反省して終わった。
しかし、いっそ変身できないまま菓彩が敵組織にもどって、過去に洗脳された時の悪事に向きあう連続ストーリーを描いても面白かったかもしれない。
ただ、菓彩のかわりにナルシストルーがそのドラマを担当しそうな気配はある。