法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『暴れん坊力士!!松太郎』第三話 松太郎奮闘す

今週の演出は石黒育。1968年のTVアニメ『佐武と市捕物控』の作画などで古くから活躍しながら、現在まで精力的に仕事をつづけているベテランのひとりだ。
相撲への歓声や絶叫を、いちいち手書き文字として画面に浮かべる演出が面白い。漫画の「描き文字」*1をそのまま映像化しただけかと思いきや、デジタル効果で伸縮させたり、人物にぶつけたりと手間ひまをかけている。
実のところ画面テロップは好みではないのだが、今回のように一貫すると新鮮味があって面白い。原作と見比べてみないと明確なことはいえないが、映像作品ならではの面白味は感じられた。


物語については、あいかわらず主人公の傍若無人なゲスっぷりしか印象に残らなかった。いや、スポーツを題材にした作品で、競技をはじめるきっかけとして異性を配置することは現在でも珍しくないが……
考えてみると、ルールを無視した動きで素質を見いだされる展開も、スポーツ作品の定番ではある。それなのに、見ていて暴力と下劣さの印象しか残らない。

*1:背景音などのオノマトペをデザイン化した演出技法のこと。こちらのツイートの説明がわかりやすい。https://twitter.com/kenzi_big_rock/status/353109116543188992