〜×数学 ○算数〜
第7話につづいて、大場小ゆり脚本回。
前半までは勉強が大切とうったえるだけで、あえていえば教訓しか中身のない内容だった。わりと説得力を出そうと努力していたし、愛乃の勉強ダメっぷりは予想外だったが。
しかし後半に入ってからの展開の転がしかたは素晴らしかった。『ハートキャッチプリキュア』でもできなかった3人同時の変身バンクを新規映像を入れて作成。そのまま良好なアクションで押し切るかと思いきや、なぜか野球対決が始まってしまう。
しかし敵の攻撃パターンを記憶するという、直前の勉強で身につけた思考を応用して、ちゃんと物語として意味のある展開にしている。同時に、昔なつかしのロボットアニメを見ているような気分になった。
なまけることに共感させようとする敵に対して、勉強の必要性とは無関係な反論をした愛乃は気にかかったが、その後の勢いと敵のキャラクター性で見事に押し切った。
作画や演出の遊びも多くて、野球シーンは単独でも面白い。全体としても、いかにも上野ケン作画監督らしく、画面が艶やかで整っている。
原画に珍しい名前もいくつかあった。変身バンクを担当したのだろう林祐己はTVアニメ本編での登板はひさしぶり。
