法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』地球脱出計画/ことばきんしマーカー

今回は前半のみ旧単行本に未収録の原作あり。前後半ともに、シンプルな小道具から飛躍した物語を展開するという、SFの魅力がつまっていた。


「地球脱出計画」は、地球が滅亡するという未来予想に恐怖したのび太が、遠い星へ逃げ出そうとして、小さな星を居住可能に作り変えていくエピソード。真空や低重力といったポイントになる描写をそつなく映像化していた。
発端は温暖化するのか寒冷化するのかのイメージもかたまらないまま右往左往するコメディだが、星を改造しはじめてからはライトでハードなSFへと移行する。家の水道からホースをのばして海水をつくったり、手作り感あるテラフォーミング描写が楽しい。


「ことばきんしマーカー」は、そのマーカーで赤線を引いた言葉を使うと雷が落ちてくるという秘密道具が登場。原作に出てくる「十戒石版」のアレンジといったところか。最初は善意でルールを強要していきながら、徐々にルールが自己目的化して自滅するというパターン。
しかし言葉を禁じる道具ゆえに、言葉面だけ整えて皮肉で応じたり、ついには口をきかなくなるという展開はオリジナリティがあって面白い。頭ごなしに否定する発言まで教育的と擁護するかのような部分は気にかかったが、ポイントではないので目をつぶれる範囲。
そして「十戒石版」に似たオチで終わるかと思った瞬間、秘密道具の特徴をいかした出来事が発生。シンプルな設定で物語をふくらませていった内容は、オリジナリティがありつつ藤子F作品らしくて、かなり満足できた。


しかしアニメを見終わった後、『ドラえもん』にまつわるひどいデマを見かけてしまった……