前回の結末から少し時間を飛ばして、宇宙塵の密集した宙域にヤマトが逃げこんだ場面から始まる。根比べして相手が動くのを待つ、異次元にひそむ敵艦を相手とした、一対一の潜宙戦*1。
脚本は森田繁。はなばなしい戦闘が描かれるわけでも、特に目を引く展開があったわけでもないが、沖田艦長が倒れる伏線的なハプニングによって、自然に艦内の人間関係を再構築して楽しませてくれた。
ただ、シリーズ伝統とはいえ、古代の独断専行を肯定したまま終わったのは、いささか微妙に感じた。複数のキャラクターが納得する背景をうかがわせるようにフォローを入れているのだが、あたかも軍隊的な組織全体が肯定しているかのようになって、むしろ不自然さを増してしまっている。もう少し独断専行を後付けで認めるだけの段取りを入れてほしかった。そもそも前後して敵の攻撃がヤマトに命中しているのだから、古代の独断専行はコスモシーガルとソノブイを準備させるまでで良くて、その後の緊迫した状況下で緊急発進許可を取りつけるという展開でも充分だったろう。