法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スター☆トゥインクルプリキュア』第11話 輝け☆サザンクロスの力!

惑星クマリンから逃げ返ってきたプリキュアたち。異変を追ってきた香久矢父から隠れるように天文台へ入り、空見管理人にかくまってもらう。
悩みをもった星奈は空見からサザンクロスの逸話を教えてもらって再起するかと思ったが、襲撃してきた敵幹部に批判されて……


前回に続いて村山功シリーズ構成の脚本に、初回以来の宮元宏彰シリーズディレクターコンテ。演出処理は初参加の岩井隆央。さらに作画監督は爲我井克美と山岡直子の共同。
目を引くのは、星奈の顔に影を落とすカットの多用。特に天文台内で、他のキャラクターには光が当たっているのに、星奈ひとりだけ暗がりにとどまっている場面が多い*1
そうした映像で展開される物語が、これまでイマジネーションで周囲を引っぱってきた星奈が挫折をかかえ、敵幹部の言葉にまどわされていく姿。ずっと天然な天真爛漫さをふりまいてきた星奈だからこそ、宙に浮いた孤独な姿が痛々しい。


もちろん戦いのなかで仲間に承認されて星奈は先導者として再起する。そして道標たるサザンクロスをモチーフとした新必殺技で敵を倒す。イマジネーションが人々を導くという1クール目のクライマックスにふさわしい復活劇だった。
しかし同時に、星奈のイマジネーションが良い方向にしか働いていないという敵幹部の批判は、想像力の欠落の指摘として妥当だとも思えた。その批判の言葉から、敵にもそれなりの事情や願いがあることがうかがえるし、それゆえ星奈も切りすてることはできなかったのだろう。
いずれ作品のメインテーマとしてあらためて星奈の向きあう課題としてつきつけられるだろうし、その時にきちんとした回答が描かれることを期待したい。

*1:作画ではなく撮影処理で表現しているのが、いかにも岩井隆央演出らしい。