法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『宇宙戦艦ヤマト2199』第16話 未来への選択

前回の戦闘で大きな損傷を受けたヤマト。居住可能な惑星を発見し、補給調査のために古代やアナライザーが艦を離れる。さらに沖田艦長が過労で倒れ、指導層が一時的に空白となる。
その間隙をぬうように、長期航海で鬱積した不満と、これまで後景的に描かれていた地球脱出計画派の策謀で、艦内に反乱が発生する。


惑星ビーメラでの調査行は、このシリーズでは珍しい人型メカと巨大昆虫の格闘戦や、まったく異なる風景が描かれて、異星を冒険する古典的な楽しみがあった。
ヤマト艦内の出来事については、規律を維持するはずの立場が積極的に反乱を起こすという物語のお約束は嫌いではない。しかし、これまで作品上でイズモ計画をめぐるドラマが書かれていなかったため、反乱したキャラクターの心情によりそいにくい。ヤマトが強大な敵に敗北したことと合わせて、旧作で薄かった反乱動機の補完という意味があることはわかるが、せっかくなら動機そのものも掘りさげる物語にしてほしかった。たとえば前後編くらいの尺を使って、地球脱出計画を推進した側の正義をじっくり描いて、主人公に葛藤させるくらいのこともできたはず。


あと、新規OPについては、どのような主題歌でもどこかから文句が出たと思うので、決定権のない関係者には同情する。同じUVERWorldでも『地球へ…』第1期OPのように日本語歌詞であれば、違和感が軽減されたろうと思うが*1。第1話全体とともに無料で視聴できる。
地球へ… | バンダイチャンネル|初回おためし無料のアニメ配信サービス
ただ、もし西崎義展PDが存命だったら、案外と2期主題歌を許したような気がする。OVA『YAMATO2520』や映画『復活編』を見ると、イケイケな若者がブイブイいわす描写をけっこう好んでいたと思うので。

*1:そういえば同じ放送枠で、同じ結城信輝キャラクターデザインで、出渕監督も参加し、地球へ回帰することを目的とした物語という根幹も通じている。