法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『聖闘士星矢Ω』第 36 話 気高きプライド!ミケーネ、王者の拳!

追崎史敏がコンテで、大西陽一が作画監督
不思議と作画に力があった。描線の強弱は通常より少ないくらいなのだが、人体のデッサンが正確で、それが動くことで立体感が生まれる。
特にBパート序盤の、ミケーネがゆっくり崖を下りて、必殺技を放つまでが、異様にていねいに作画されていた。枚数が多いのでなめらかに見えたのか、まさか全原画なのか、動画が中割りをがんばったのか、見当がつかない。なめらかなアニメートが得意そうな原画スタッフを探すと、別けてクレジットされている荒木英樹が、必殺技こみで仕事したのだろうか? しかし、描線は近年の馬越デザインと違う均一な細さなので、動画の段階で何かがあった気もする。


物語はシンプル。強敵が主人公側の奮闘を認めて、先に行くことを許すという、かなり王道的な展開。作画の良さが戦いの激しさを表現し、映像としての説得力を出す。
味方は2人がかりなのでミケーネが弱体化したという印象もないし、ミケーネの必殺技へ対抗するため2人とも必要という描写で一方が仲間の踏み台になったということもない。きちんと作った王道は、引っかかることなく楽しめる。
序盤では、今回もまた黄金聖闘士の回想で物語を進行しかねないと懸念をおぼえたが、等身大の人間に落とさず、あくまで敵勢力の内部を描くにとどめていた。かつてのマルスが人間の姿を持っていたという、今後につながりそうな描写もあり。