滅多につかわない大皿を咲良うたと妹はもりと父が探していた時、開店当初のメニューが出てきた。そのメニューの最後はなぜか塗りつぶされていて、父と母はそれが何かを明かしたくないらしい。
最初の「お」と最後の「グ」だけを手がかりに、はもりがアニメ『ズンドコ探偵』を真似て常連客にメニューの真相を聞きに行く一方、咲良うたは蒼風や紫雨、プリルンとメロロンはタナカーンと協力して謎を解こうとするが……
『トロピカル~ジュ!プリキュア』の土田豊SDがコンテ、シリーズ構成の横谷昌宏が脚本で、シリーズでたまにある探偵回*1がズンドコきわまりないナンセンスギャグ回と化していく。
真面目な顔をしてシュールなボケを長々とする蒼風にはじまり、数時間前の『雨と君と』*2につづいてアライグマとタヌキを混同したツッコミなしのボケ、漫画家の女性をのぞいては唐突きわまりない常連客設定、検索しても出てこない謎のフランス料理「オートバッサンジェリードグランディエールグ」……プリキュアアクションがはじまっても怪物が敵味方かまわずギャグめいた攻撃をするテンポの良さで笑うしかなかった。アクションの崩した顔や動きもアニメーションとして楽しい。
しかし困ったことに……いや困りはしないが、ギャグ回であることが他人を笑顔にさせる隠しテーマと一致しているし、常連客がほとんどメニューを知らなかった真相にも整合性がある。お笑いギャグを披露して客を楽しませようとして滑って封印したわけだが、ちょうど半日後に放送される『ナニコレ珍百景』を見ていると同レベルの店が現実にけっこうあるのでリアリティがないと笑うこともできない。最終的に主人公うたがいつものように店で歌うことが、かつて父がやろうとしていたことの継承と位置づけられ、なんだか良い話のような雰囲気で終わっていった。すごい回ではあった。