アイドルプリキュアのライブも響カイトと咲良うたのデートも成功。咲良の様子に蒼風も紫雨も興味津々。しかしまずは絶好調のプリティストアを助けるため、プリルンたちまで人間姿になってお手伝い。
しかしうかない顔をした響のため、仲間に推されて咲良は海辺に行く。かつて響にはカズマという友人がいて、ともにオーディションに挑戦したが、響だけ合格したらしい。そして現れたジョギはカズマだったというが……
山田由香脚本、平池綾子コンテ、玖遠らぎ作画監督で、これまで匂わせていた響カイトと敵幹部の因縁の一端が語られるなか、キュアアイドルの強化フォームが登場する。
今回の玖遠作監は過去回と比べてキャラクター作画の良さは感じないが、全体的に咲良や蒼風などの頭身が高めで、ちょっと大人びたラブストーリーに合わせている感じがある。強化回だけあってアクション作画は良かったが、これは原画の力かもしれない。
ただ物語については、あまり響と咲良の恋の進展を応援しづらい気分が強くなった。
咲良が憧れの存在に対して恋に恋する少女なので、相手のさまざまな人格を知っていく積み重ねがないことは逆に良いのだが、憧れる相手として年齢が高い男性アイドルという設定が厳しい。
前作のように同世代の少年と対等な関係を結ぶ*1わけでも、憧れの相手を少し年上でも同性にして権力勾配を緩和するわけでもない。
過去作には男性教師キャラクターと主人公の少女が恋愛的な雰囲気になったこともあったが、その男性教師は小さな妖精が変身した姿だったので現実の年齢差や男女の格差を意識しすぎずにすんだ。
今のところ響が咲良を子供のようにあつかっていることが救いだが、関係の進展によって大人あつかいするようになると逆に厳しさが増しかねない。
思えば今作はただでさえ主人公の頭身が低くて瞳が極端に大きく、設定とは無関係に幼さを感じさせるキャラクターデザインだった。それが大人と恋愛関係になろうとする物語にいっそう問題を感じさせてしまうのかもしれない。頭身を高めに作画した今回がそれをきわだたせた。
もともとアイドルをモチーフにしている作品だから、このまま現実で恋愛を進展させるのではなく、あくまで憧れの存在として推しつづけるという結論になるのかもしれないが……

