法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ハートキャッチプリキュア!』第23話 キュアサンシャイン誕生ですっ!!

フジテレビ系列日曜9時枠から移動してきた畑野森生が演出を担当。『デジモンセイバーズ』『ゲゲゲの鬼太郎』で辣腕をふるった勢いもそのままに、薫陶を受けた長峯演出よりさらに山内重保を思わせる構図が頻出する。
作画監督馬越嘉彦は原画も担当。伸びやかなアクション作画や、原画クレジットの少なさから見て、おそらく相当数の原画を上げたのだろうと思う。弾力ある和紙のようにデザトリアンがひしゃげるアクションが見ていて楽しい。
キュアサンシャインのバンクは志田直俊が担当*1。なめらかで引っかかりのないアニメート、パースを強調するため手足を長く誇張した*2レイアウトが特徴的。細かい芝居が多く、仕上げ枚数5000枚の半端なさが伝わってくる*3。思えば、同じ黄色なキュアレモネードの変身バンクも志田直俊だったな。前シリーズではキュアパッションを担当し、こちらは途中参入という点が共通している。


物語は良い意味でひねりがなく、兄と妹、抑鬱と開放、曇り空と青空といった対比で新プリキュアの魅力を引き立たせる。
生徒会長が新プリキュアであることを序盤で確定していたことも、最終的には良かった。多くの情報が流れている現状では正体を明かして衝撃を与えることは難しい。それより感情の流れを克明に描き、感情移入をうながすことで、再見にも耐える強度あるドラマを作り出せる。


そして可愛いデザインのキュアサンシャインが実際に動くとりりしく見えるところが、これまで描かれてきたキャラクターの延長上にあると実感させてくれる。
さらに、攻守にたけた新プリキュアが参入することで、これまでの主人公は立場がゆるがされそうなところだが、次回予告によるとさっそく強化される様子。シリーズ構成が全体によく目配りされていると感心させられる。

*1:http://twitter.com/atagawaatami/status/18803030456「 サンシャイン祭り開始です。バンクは志田さんがバンクの音楽を聴きこんで流れを作っています。お手玉も志田さんの仕業です。ドラムビートとポプリのぴょこぴょこ動きのシンクロにはこだわってみました。 9:59 AM Jul 18th」

*2:あるいはレンズで歪ませた、と呼ぶべきか。

*3: http://twitter.com/atagawaatami/status/18272306190「サンシャインが予告に出ましたね。バンクの動画枚数すごいことに・・・仕上げ枚数は5000枚だとか・・・やってしまった・・・まあ、いいよね!コンテは25枚位かきました。 10:47 PM Jul 11th」ただし仕上げ枚数とのことなので、飛び散る光などの別レイヤーをそれぞれ1枚ずつ数えているのだろうと思う。