今回は前後半ともに原作ありで、アニメオリジナル要素も抑え目。作画は安定しているものの、メインスタッフが映画制作に取られた状況で、職人的にこなした気配が漂っていた。
Aパートは、珍しく総監督の楠葉宏三がコンテを担当。そつなくこなしていたが、これも映画制作の影響だろうか。
TVの尺に合わせて移動の時間を多めにとり、より海中冒険する楽しさが味わえた。夏季の海遊びという季節ネタでもある。しかし原作通りに小型潜水艦が登場し、タコスミをかけるだけとはいえ魚雷攻撃を描写するところが、今になってみると凄いというか何というか……
あと、遠洋だけでなく近海でも水産資源問題が厳しく問われている昨今、スネ夫の家が持っている島の周囲でサザエやアワビをドラえもん達が採るのは、漁業権の問題を感じた。これも今になってみると、子供の視聴者向けに、漁業権の存在についてエクスキューズを入れる描写があれば良かったかも。
Bパートは、「職業テスト腕章」を使って、様々な職業のいいところだけつまみ食いしようとする。アニメオリジナル要素は試す職業のバラエティを増やしていたくらいで、違和感なし。
