法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』第4話 3人そろってレッツ・ラ・まぜまぜ!

いちかとひまりは、バレエダンサーの真理子に憧れている。真理子が発表会に出ると聞き、あおいを入れた3人でお菓子を差し入れすることに。
あえて真理子の実家の洋菓子屋で人気のシュークリームをつくることにした3人。しかしシュー生地をうまく焼くことができない……


脚本の犬飼和彦は、たしかシリーズ初参加。最も精神年齢の高いあおいがツッコミ役をこなしつつ、納得する経緯がきちんと描かれていることに感心した。長老に実体がないことをコメディに活用したことも良い。
映像については、フィリピン外注回なので厳しい。パティスリー工房内のレイアウトは悪くないが、全体としてキャラクター作画は癖が強い。初回から連続してクレジットされている川村敦子総作画監督も、たぶんラストシーン等の要所しか修正を入れていない。
作画に期待できないためか、貝澤幸男SDがじきじきに演出をつとめ、うまく省力しつつ特別な雰囲気を出していた。コメディな場面ではデフォルメ作画を多用し、くりかえしギャグでは背景などを兼用してリソースを省く。シリアスな場面では、時計の反射やポスターの影で主人公たちを描写して、作画の乱れを感じさせず画面の情報量を増す。製菓シーンでは画面分割で3人の表情をクローズアップでとらえつつ、雰囲気にあわせてフレームを変化。戦闘シーンでは影を落として描線を少なくすませつつ、ダークな雰囲気を出す。楽屋ではメインキャラクターのみにスポットがあてたかと思えば、シュークリームをなめるように真理子を映してカット数を節約。
貝澤演出に特徴的な日の丸構図は好みではないが、ただ誰かのために試行錯誤するだけのエピソードで、きちんと30分を飽きさせないことに成功していた。


番組最後には今年の劇場版の紹介も。どうやら3DCGで描写される異世界と、手描き作画の現世界を行き来する内容になるらしい。面白い試みだ。いくつかのカットは、手描きか3DCGか区別しづらいクオリティもある。