法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

国歌斉唱パラドクス

嘘つきなクレタ人、風味な。
あのアメリカですら自国国旗の焼却が禁じられていない理由 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
上記の記事そのものは、結末に無根拠で「国内儀式でも起立は必要でしょうが」という基準を書いているところは謎だが、全体の主旨は同意できるし理路がわかりやすい。
「尊重」とは他者に対するもの。つまり自国旗を尊重することを義務づけることは、国民を国家にとっての他者、つまり従属者と見なしているという指摘だ。
そして記事に対するはてなブックマークはいつもの同じ話題がそうであるように賛否両論なのだが、一つのコメントに驚いた。
はてなブックマーク - あのアメリカですら自国国旗の焼却が禁じられていない理由 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

id:yingze 教育
なるほどー。アメリカでは他国国旗焼却は違法で、自国国旗焼却なのか。/国歌斉唱時に起立すら拒むキチガイと、国歌斉唱を強要するキチガイたちは公教育から消えて欲しい。 2012/03/23

「国歌斉唱時に起立すら拒むキチガイ」「は公教育から消えて欲しい」という主張って、「国歌斉唱を強要するキチガイ」そのものではないの?
このパラドックスを回避するためには、「消えて欲しい」という主張は願望にすぎないとしてあらかじめ却下されるか、最初から国歌斉唱を儀式の場からなくすかの、どちらかしかないはず……いや、それともあえてパラドックスを演じて皮肉っているということなのかな?*1

*1:論理的にはもう一つ、歌わずに起立だけ強要されるということもありえるが、それが国歌「斉唱」が儀礼において無意味であると逆説的に示すことはいうまでもない。