法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『輪廻のラグランジェ』第3話 鴨川にランの花咲く

ロボット戦闘での失敗と、前フリなしの「急に歌うよ」で笑った。個人的に『戦姫絶唱シンフォギア』と合わせてみているのだが、こんなところで同調するとは。
しかし後者はともかく、前者は物語上でも単発ネタに終わらず巧い。主人公のすっとんきょうな行動を、敵が真面目な行動と勘違いすることで笑いを継続しつつ、地球文化について敵が共有したり理解している程度を示す。そして三度目の正直という形でランとの仲間意識が成立した描写まで展開して見せた。


リアリティレベルで見ても、主人公がすっとんきょうな言動ばかりとるようでいて、初回から態度で示してきた性格の延長線上にあるので、ぶれずに独立したキャラクターとして立ち上がる。
しかも、ロボットアニメが形ばかり気にしつつおろそかにしがちな市街地破壊を、更地や公園を選んで戦って避けるという身近なリアリティを感じさせる描写で正面から描き、街と人を主人公が守りたがっている気持ちが肌で伝わってくる。
現実の風景を引用した作品ならではの演出でもあり、風景にロボットが存在する異化効果以上の意味を視覚上で生み出していた。


尺のほとんどを使ってロボット戦闘が行われつつ、映像に破綻が見られないところも素晴らしい。市街地を跳び回ったり組み付いたりする面倒なメカアクションを、緻密に作画していた。作画監督が多目なので、今後が少しばかり心配ではあるが。