法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第32話 友よ

ガランの指示で、鉄華団地球支部はマクギリスとの戦いにいどむ。それで今の戦いが終わると信じて。
しかし決死の作戦が成功するかに見えた時、鉄華団の本隊が戦闘に割り込む……


前回につづいて戦闘回。前半で地球支部の戦いが断ち切られて今回はこれまでかと思ったら、後半にもガランを追撃する物語が展開され、予想以上にアクションが充実。
開けた平原で木々を障害物として利用する戦闘と、夜間の市街地を舞台とした追撃とで、情景にもバラエティがある。TVアニメとしては充分に巨大感あるコンテに重量感ある作画で*1、巨大ロボットアニメとしての満足感は高かった。
劇中でも指摘されるように小物にすぎなかった監査役が、強敵のように見えたガランの尻尾をつかませるという皮肉な展開は悪くない。まともな人間ほど戦争では先に死ぬというガランの台詞と、それを受けた鉄華団側のまともでなさを印象づける会話も印象的。
ただ、敵キャラクターはあっさり殺すのに、味方キャラクターの死は感傷的に描くという作風は、やはり好みではない。戦闘で敵味方が情念をこめた会話をしていると、ああやはり「ガンダム」なのだな、という気分になる*2

*1:立体の面に影色を使い、エッジに光を当てる作画が、アニメとしては珍しい。たしかプラモデル塗装としては確立された技法だった記憶があるが。

*2:そういう観点からすると、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の特異性は、子供視点であることなどより、敵味方の会話のなさや戦死の淡々とした描写にあるといえようか。