前回の続きとして荒野で戦う前半、高層建築が林立する舞台で戦う後半、全編がアクションで満ちつつ映像のメリハリが良かったのではないかと。
Aパートでは、前回のタイタス登場までの経緯を改めてていねいに描く。手描きメカ作画が大量に見られて楽しい。パイロットも本職の意地を見せて、性能を技量で補おうとしている様子が映像から伝わってくる。
Bパートは、高層建築の屋上を渡りながら戦うGエグゼスという絵が、過去のガンダム作品には極めて珍しいもので好感触。
全体的に飛行によるリソース節約をせず、地に足のついた攻防が多かったことは確か。アニメーターの負担は大きかっただろうに、画面を破綻させず、よく保たせていた。
コロニー勢力が使用しているMSの弱さ、ただシャッターを上げるだけで被害を抑えられた理由として、あくまで人間同士の戦いは小競り合いにすぎなかったという落としどころも悪くない。……ただ、それを指摘するのが、AGEシステムにたよりきっている子供主人公というところが難。同じ描写でも、もっと良い流れはありえたはず。
同じ敵の存在を確認したからといって、コロニー勢力が共闘する流れも、安易なところに落とした感じ。握手を自制するところがあったのは良かったが。
どうにもUEが脅威と感じにくいのが最大の問題か。AGEシステムを使った急造品で対処できる程度の強さであり、主人公周りの人的被害も回想場面くらい。何より、人間が黒幕らしいとうかがえる作りのため、UEとの戦いもまた茶番劇ではないかと思わせ、今回の結論に反して今後ちゃぶ台返しされそうな予感がしてならない。
