法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

記憶の概念

大前提として、麻生太郎内閣は衆議院選挙で自民党が勝利したとかいった、選挙による支持で誕生したわけではない。
約一年ごとに首相が交代していくという混乱を続け、自民党自体がじりじりと支持率を下げた末、ほとんど敗戦処理として登板したにすぎなかったと記憶している。インターネットではうまく支持を集めているかのように装えていたものの、特に選挙で強いともいわれていなかったはず。
つまり、麻生内閣時の出来事で政権交代が起きたという主張は、擁護しているつもりであっても、麻生元首相個人へ実際以上の責任を負わせてしまっていると思うよ。
恥の概念 - 今日も得る物なしZ

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110606/plc11060616150015-n1.htm
はてなブックマーク - 枝野長官、今上陛下が第何代か「知らない」 - MSN産経ニュース
ほんの数年前に「カップラーメンの値段」「漢字の読み」「ホッケ」で政権が変わったのを忘れてる奴ばっかりだな。
こういうくだらない質問の「答え」を馬鹿にして民主党政権を誕生させたのはどこの誰なんですかね。
ど・こ・の・だ・れ・な・ん・で・す・か・ね?


民主党に投票してない俺ですら現状が恥ずかしくて情けなくてしょうがないんだが、当の「民主党に投票しちゃった××」はそんなこと微塵も思ってないらしい。
もう近代国家とは到底思えないんだが、最大限好意的に解釈して「日本人が馬鹿な質問の判別がつくようになった」と思うことにする。
本当は違うってことは分かってるけども。

カップラーメンの値段」「漢字の読み」「ホッケ」がメディアで大きく取り上げられたこと自体、麻生内閣が国民の支持を集めて誕生したわけではなかったことの象徴といっていいだろう。


そして「カップラーメンの値段」が国会で質問されたのは、あくまで小麦価格問題をただすための前ふりにすぎなかった。
新政権と記者クラブ - 喚いて叫ばざれば

民主党の牧山議員が、小麦価格が高騰しているので価格調整してほしいと訴え、その話のマクラにカップ麺の価格を尋ねて麻生さんが答えられなかったことがあるが、メディアには麻生さんが庶民感覚からズレているということにされてしまった。

麻生政権は「漢字の読み」等の政治と関係が薄い出来事ばかりメディアに取り上げられ続けたが、民主党議員が漢字の読みを質問した時は漢字能力自体が争点ではなかった。
産経の印象操作が素敵すぎる: どいつもこいつもいっぺん死ね

石井議員は「自分で書いたなら政権の座に恋々としないで有言実行しろ!」と批判するために「漢字テスト」を持ち出した模様ですが、産経はこの辺の経緯を華麗にスルーして、あたかも石井議員が漢字テストだけをやったかのように印象操作をしています。

「ホッケ」については、麻生発言を突っ込んだ者からし民主党員ではなく自民党国対委員長だった。そもそも発言した場所が自民党役員会だったのだから。
麻生首相 羞恥発言は「ホッケの煮付け」だけではない - リアルライブ

麻生太郎首相は10日、自民党役員会で前日の居酒屋懇談を話題にした際、「(料理は)ホッケの煮付けとか、そんなもんでしたよ」と恥ずかしい発言をしてしまった。北国出身の大島理森国対委員長は「ホッケに煮付けはありません。ホッケは焼くしかないんです」と鋭い突っ込み。思わぬところで世間知らずを露呈したが、実は首相の“おバカ発言”はこれにとどまらない。漢字の読み間違えを連発しているのだ。

このような経緯で、民主党や支持者を批判するのは無理がありすぎる。


一方で、kyoumoe氏自身が書き起こしている山谷議員の場合は、産経新聞記事となった前ふりだけでなく質問全体がふらついている。
答弁あった - 今日も得る物なしZ

山「せっかく作ったDVDです、そして日本の素晴らしい国柄、平和の国、文化の国、道義の国として歩んできました大きな家族としての国柄、そうしたものが子供たちによく分かるDVDでございますので、是非せっかくの予算をつけて作った物ですから、無駄にならないように改めましてですね、ご覧になられるようにということをお薦めいただきたいと思います」

「日本は本当に世界に例のない君民一体で大きな家族のようにご皇室を戴きながら長い長い歴史を紡いできた平和の国、文化の国、道義の国でございます」という認識自体がどうかという気分も持つし、教科書のくだりを読んでも質問にかこつけた自己主張という感が強い。
記念DVDの反応を調べるべきという主張自体は否定するつもりはないが、もっと手短かつ引っかかりの少ない質問にできただろうと思うし、「カップラーメンの値段」に比べて質問自体の重要性も低いと思うよ。