謎の男が描いていた絵に、きちんと視覚的な衝撃を与える仕掛けがされていて、滑らず素晴らしい次回への引きとなっていた。作中の絵の評価を、視聴者の絵に対する評価と整合させることは、かなり難しいものだ*1。
しかし橋の爆破テロが起きているというのに、バーナビーの個人的な因縁を優先させたのは、さすがに御都合主義がすぎる。特にミスディレクションもなく、バーナビーが戻ってくるクライマックスも見えすいていて感動がなかった。せめて虎徹がバーナビーの助けを断って自由にさせた時は、テロではなく事故と思われる状態にするべきだろう。爆煙の中へ飛び込んで、敵の存在を知って初めてテロと認識するという段階をふんでほしかった。テロの目的を直感したバーナビーが、あえて戻らずに刑務所へ直行したが、テロによる幹線道路爆破で進むことも戻ることもできなくなるという展開でも面白かったかもしれない。
作画*2も3DCGのアクションも全般的に良かったし、ヒーローが分散させられて徐々に追いつめられていく緊張感は楽しめたが、ここは少しパターンを崩してほしかったところ。ヒーロー個々人の日常を描く前半が、街全体がテロの標的となる後半に繋がったりと、王道の良さを確認させてくれた部分も少なくないのだが。