発言した江藤拓氏も、さすがに野党の批判に間違いを認めて、議事録からの削除を求めたという。
江藤農水相、豚コレラ「神様が悪い」 参院で発言→撤回:朝日新聞デジタル
江藤農水相は、感染拡大への野生動物のかかわりを問われた際、口蹄疫(こうていえき)やBSEなどでも詳しい感染経路の解明は難しかったとした上で、「そもそもこれ、神様が悪いと私は思ってますんでね。どこからやってきたか分かりませんけれども。病気とかそういうのもそうじゃないですか。ウイルスは人間が作ったものではそもそもありませんので」と答弁。野党議員が批判すると、江藤農水相は「訂正いたします。間違いでした」と非を認めた。
発言記録を抹消することの善し悪しはともかく、すぐに間違いを認めるだけでも現政権では比較的にまともな態度かもしれない。
農水委後の取材に、「(地元の宮崎県で)口蹄疫が起こった時にみんなが空を見上げて、何で我々がこんなに目に遭わなきゃいけないんだという話をした。その時のことをつい思い出し、発言してしまった」と釈明した。
しかし民主党政権時代の口蹄疫蔓延を思い出しての発言という釈明を読むと、当時に野党だった自身が何を追求したのかは思い出さなかったのかと首をかしげる。
asahi.com(朝日新聞社):赤松農水相、口蹄疫で辞任否定 自民、不信任案提出へ - 口蹄疫の猛威
「誠心誠意、大臣としての職務を全うしていこうと思う」と述べ、口蹄疫(こうていえき)の被害拡大による引責辞任を否定した。自民党はこれを受け、今国会に農水相不信任決議案を提出する方針を固めた。
自民党の江藤拓氏は質問で地元宮崎県の窮状を訴え、民主党のスローガンにからめて「何が『国民の生活が第一』だ。自分の身が一番じゃないか」と述べた。
被害を宮崎県に封じこめることができた口蹄疫と比べて、複数県に蔓延してワクチン接種にいたった豚コレラ。
もちろん、異なる感染症であるし環境にも左右されるだろうし、被害すべてが時々の政権による判断結果ではないだろう。
しかし運不運で左右された結果でも、原則として政権は責任を負うべきだ。
それが民主党の時は理解されていて、自民党の時は否認されるのであれば、民主党政権時代の日本は現在よりもマシだったと思うしかない。
政治家が負うべき責任を負わされる時代は、責任をとりたくない政治家やその支持者には悪夢のような時代ということも理解するが。