法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ハートキャッチプリキュア!』第35話 ワクワク学園祭!ファッション部はバタバタです!!

文化祭直前の、あわただしくも楽しい準備活動を主軸とした物語。
主人公達が途中で助けた学友一人一人から逆に協力を得て、不安視していた月影ゆりの協力意思も確認できたところで物語が終わる。文化祭自体は次回へ引くが、全ての準備が完了したところまで描いたので、今回でも充分に物語の区切りがついている。


ゲストキャラクターの苦悩が敵に利用される作品フォーマットが、さほど今回はドラマと結びついていないところがポイント。今回の苦悩は敵が邪魔したことで深まったようなものであり、いつもと違って敵が正論風味のマッチョ発言でゲストキャラクターを批難することもない。プリキュアが説得する必要も意味もないのだ。
そもそも文化祭の準備という苦悩は、いったん怪物化して発露しなければ抑圧が続くような問題ではないということもあるのだろう。今回のデザトリアン化は、あくまで月影ゆりが主人公達を助け、新たな仲間となったことを示すための障害だ。
ゲストキャラクターをめぐる問題がプリキュア戦をへて解消へ向かう通常回に対し、今回は主人公達をめぐる問題とプリキュア戦は別個に存在しつつ仲間としてのきずなが深まる物語として重なりあう。
デザトリアンを操縦する敵の新アイテムは、先日に登場した時は作品フォーマットを崩しかねないと思っていたが、デザトリアンの苦悩を描くとドラマを邪魔しかねない今回にはふさわしい。


さらに月影ゆり一人で戦うことで、新プリキュアが早々に弱体化することを防ぎ、同時に主人公達がクライマックスで物語から排除されることもない。友達の目があるため返信できないという、変身ヒーロー定番のコミカルな展開が楽しめた。
さすがに前回と比べて作画は弱かったのだが、主人公達はプリキュアに変身しないという変化球で攻め、楽しいデフォルメ表情でうまく見所を作って乗り切った。