法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『STAR DRIVER 輝きのタクト』第二話 綺羅星十字団の挑戦

敵幹部の会合を通して、とりあえずの作品フォーマットが示され、ずいぶん話が見通しやすくなった。とりあえずの動機設定や目標が示されたことで、ちりばめられた暗喩にも注意を向けやすい。
くわえて前回よりもロボット戦闘にボリュームがあり、敵パイロットの特徴もメカデザインや戦法に現れており、ロボットアニメとして素直に楽しかった。前回の敵ロボットも、はっきりボクシングスタイルで主人公へ戦いをいどんでくれば良かったのに*1
敵ロボットの機動性を光の軌跡で描いた作画*2も目を引いた。風景が現実と異なる異世界でも空間を感じさせる。面白いのは板野サーカスの平均と比べてスピード感を出していないところで、むしろ高速で巨大物体が動いた場合に摩擦でブレーキをかける大気や地面の存在感を表現している。


絵コンテは如月トウジという名前だが、これまで目にした記憶がない。誰かの偽名なのだろうか。
手前に人物をなめて、後景でキャラクターが動くカットは最近の長峯達也っぽいが、全体的には違う感じ。ロボット戦闘はよくできていたが、アニメーターの意図も強く反映していそうだし、あまり参考にならないかな*3BONES作品に参加した演出家は多く、しばしば意外な人も入ってくるから、そこからしぼるのは無理。
文字演出やデフォルメされた表情、アップで決めるでもなくロングで冷ややかに見るでもない、そっけないカットを繋いでいく演出は佐藤順一っぽい。階段での顔が見切れたカットにも特徴を感じる。『たまゆら』を監督している最中なので、偽名を使う動機もある。五十嵐監督とのコネクションもある。しかし最近の佐藤監督はtwitterを使っているので、偽名で絵コンテを切っていれば誰かが感づきそうだ。

*1:そもそも仮面ロボットというコンセプトなら、仮面が変身するなり分離するなりして、素体が共通しているロボットに合体するといったデザインにでもしてほしかった。今のところ、敵ロボットのデザインに自由度が高すぎて、仮面をかぶったキャラクターが戦う寓意が戦闘シーンからうかがえない。

*2:たぶん松田宗一郎が担当。後述する『ガイキングLOD』第13話でも光の軌跡でサーカス作画を行なった。

*3:先述した松田サーカスという共通点もあって、メカ作画監督を担当した大塚健がかつて絵コンテを切った『ガイキングLOD』第13話を思い出した。教科書的な展開ではあるが、光の軌跡で敵味方が間合いをはかっている様子を描き、激しくぶつかってから必殺技で決着するという戦闘の流れ自体もそっくり。