月からのシ者は石田彰の声だった、とか。変身後の名乗りがとても力強かった、とか。声優の演技が印象に残る回だった。
前回でアイテム獲得を傍観していただけのキュアムーンライトが一度はアイテム使用に躊躇し、やがて力を借りて再び戦う意志を持つようになるまで。かつての戦いでパートナーを失った悲しみ、そのパートナーが一度だけ復活する奇跡、そしてパートナーを再び失った上で今の仲間の元へ駆けつけるまで。……どちらも復活のために踏まえなければならない描写ではあるし、思考の流れや説教に引っかかるところもない。失われた妖精が安易に生き返らないことも良かった。
しかし今回より前からずっと描写を重ねておけば、キュアムーンライトに変身してからダークプリキュアを圧倒するまで今回だけで描けたのではないかと思う。せめてパートナーの人となりは、「ゆりさんの妖精」とサブタイトルにもあった前々回で描いておくべきだったのではないか。変身が終わって次回へ引くという構成も嫌いではないし、回想から現プリキュアの総力戦まで描いているからアクション面での不満もないが、新展開がもたつくという今シリーズの弱点がまだ残っていたように思う。
演出は畑野森生で、作画監督は爲我井克美。サバーク博士の攻撃で大塚健っぽいなと思ったら、原画に大塚健がいた*1。しかし注目のキュアムーンライト変身バンクは短めで、シャープな作画はイメージには合っていたものの、本編の尺に無理やり合わせた感じもあって期待外れ。
*1:あいかわらずの当てずっぽうなので自信はないし、EDクレジットで一人はなれて表記されているところから、変身バンク作画だけ担当したのかもしれないが。
