法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『怪談レストラン』誰のコート?/幽霊屋敷/背中に手のあとが

「誰のコート?」は小泉昇作画監督か。キャラクターデザインの雰囲気をよく残して整えているのみならず、日常的な動作が巧い。玄関で兄妹が出ていこうとする前後のカットは、細かな演技がつけられていて目を引いた。トラックとすれ違うメカ作画も地味に巧い。
しかし、話は今まででも最大の投げっぱなしぶりかもしれない。コートがどうなったか、最後にナレーションくらいは入るかと思ったら、何もないとは。以前にアンコを助けた叔父が背後霊となっていたというオチかと思ったりもしたのだが、全くの肩透かしだった。さらに、うがって見れば、最後に命を救ったのは、コートのマッチポンプとすら思える。
「幽霊屋敷」はキャラクター作画に少し癖があったが、見続けていると気にならない。弟が徐々に取り込まれていく描写を、鏡で演出したのが印象に残った。
あと、普段は冒頭とデザート前でコメディチックに内容紹介しているコミカルなオバケが、いざ本編で登場すると*1シリーズでも最も恐ろしく不可解な存在という対照ぶりも良かった。ただ細かい注文になるが、弟がオバケ化する描写は、オーバーラップではなくモーフィングで処理した方が怖く演出できたと思う。
「背中に手のあとが」は海外からの転校生が自身の体験として語ることで、ロンドンの夜景が楽しめたところは良かったが、そもそも語り部が興奮をしない性格なので怖くも何ともなかった。

*1:正確には小物のデザインや、劇中テレビ番組として登場していることはあった。