法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』セカンドシーズン#4 戦う理由

水中戦なら有利と思って油断し、近距離からのビーム攻撃で負ける敵は、ガンダムシリーズのお約束。しかし今作品では、GNフィールドという一種のバリアが存在するため、敵機がガンダム母艦へ近づかなければならない理由付けがある。おかげで不用意に近づいた御都合主義の印象は薄い。対応するガンダム個々の性能を活かした連携も映像で表現できていた。
水中戦の決着がついた後にも戦闘があり、一方的な戦闘におちいらないのもいい。各勢力の少しずつ異なっている兵力差や、組織としての性格もわかりやすい。
ガンダムが反転攻勢に移る展開自体が、そのままスメラギというキャラクターの復活ドラマにも繋がっている。ロボットアニメとしては、教科書的に良くできた回だった。


軍事に利用された子供達、兄と比較されたくなくて露悪的にふるまう弟、存在自体が出オチのミスターブシドー等々、キャラクターアニメとしても見所あったが、少しばかり時間不足に感じた。
その中では、「掃討戦」が巧みという敵指揮官の紹介が、ガンダムの反撃に対応しきれない前振りだったことが地味に良かった。掃討戦しか巧くないという、皮肉のこもった表現だったわけだ。これが『銀河英雄伝説』ならば“掃討戦のリント”という二つ名で呼ばれることだろう。


コンテは寺岡巌、作画は中村プロ。ハッタリの効いた決めポーズを挟みつつも、全体的にはロボ戦闘を真面目に枚数を使っていた感が強い。
作画では、ハロの動きでオバケ*1が使われていたことが、アバンタイトルの幼いキャラクター作画にしんぼたくろう作画監督の絵柄がよく合っていたことが目を引いた。

*1:アニメの作画技法で用いられる残像の一種。