法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『バトルスピリッツ 少年激覇ダン』第7話 冥闘士バラムの猛攻!

ほそのゆうじ脚本。今回の内容は、少年向けカード販促アニメとして完璧に近い。


まず、最初にデッキから引いたカードが運悪くスピリットが入ってなく、マジックという補助カードしか手札に来ない「手札事故」を扱っている着眼点が面白い。いくつかのトレーディングカードゲームアニメを見てきたが、運の悪さを扱った話は多くても、全く手も足も出なくなる「事故」を題材にしたのは珍しい。
こういう「事故」は現実のカードゲームにつきもので、防ぐシステムやカードがないわけではない。実際、今回の要所で使われた「エクストラドロー」は事故を軽減する効果があるらしい。しかし何度も戦っていれば対処が難しいほどの不運は起きるもので、もし起きた場合にもゲームを投げ出さない精神的な強さが求められる。今回の物語は、あきらめない態度を視聴者に教えるとともに、しのぐ技術も簡単に学ばせる*1
「激突王」という主人公の通称にからめ、使役するカード全てに目を配ってこそ「王」だという台詞にも説得力があった。
残りデッキから特定種類のスピリットを引き当てれば手札にできるエクストラドローを使用し、ダンは幸運にも勝利しうるカードを手にする。しかし考えてみれば前半にマジックが固まって出てきたのだから、後半にスピリットが残っている確率はいくらか高くなっているはずで、現実味は充分にある。
そして、先のエピソードで主人公が入手した珍しいスピリットで決着。カードの特性を使っていたわけではないので顔見せに近いが、やたら画面演出が派手でアニメとしては面白くなっていた。


作画は主にスタジオダブが担当しているが、原画に菊池晃。たぶんデスマッチ団が村に押し寄せてきた辺りから、ダンとクラッキーが言い争う後くらいまで。他にも色々と良いカットがばらけていた。

*1:カードバトルを熱心にやっている者からすると、アニメで確認できた範囲でも、もっと簡単にしのげる程度の事故だそうだが。