法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『獣の奏者エリン』第32話 大罪

口車だけ達者なボンクラ王の転落人生に、ルルーシュを思い出してしまった。
いや、真面目に見ても面白い回ではある。伝説として語られてきた歴史の想像以上に黒い真相や、俗物にも垣間見れる人間としての貴さ、布施木一喜コンテらしく凝った撮影、最終的に主人公の目的意識に収束する物語と、見所は多い。
しかし、ボンクラ王のキャラ立ちが凄すぎて、エリン母が刑死するに至った真相のような重要情報があっさり消化されてしまった。


単独で見ての面白さと、全体を通しての面白さが、時に相反してしまう問題。キャラクターが下手に立つと、物語全体で必要な情報を描く時間が減ってしまう。
これなら、ボンクラ一代記を前後編でたんねんに描いても良かったんじゃないかな。