法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』第18話 小さな人間の傲慢な掌

前回感想ではネタバレを避けて書かなかったが、偽装工作の真相を今回に持ち越すのは良くなかったと思う。
実は生きていたという展開は物語から緊迫感を削ぎやすい。生と死を主題にした作品ならばなおさらだ。しかも不死者が設定的に存在するため、一般人は死が取り返しがつかないものと描写されなければならない。
原作では偽装工作の真相を早々に明かし、すぐさま敵味方の策略戦に物語を移行させ、この種の展開では悪くないと思った。トリックがらみの描写でマスタング大佐の過去や、錬金術設定も補足されている。しかしアニメで引っ張られては原作既読者としては無駄にしか感じられない。ロス少尉の死をAパートの引きに持ってきて、Bパートで真相を明かすような展開にしてほしかった。
マスタング大佐が焼死体の作り方を語る屈折は、このアニメでも悪くなかったと思うが……