法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』ジャイアンテレビにでる!/暑い夏にはおはなしバッジ

テレビ朝日ビル内のイベント*1に合わせて原作を選択した前半と、原作に登場する秘密道具や展開を季節に合わせた後半と。


Aパートの序盤は、前振りもなくテレビ局に出たがるジャイアンの姿が描かれる。原作に描写を足さず、異様なほど早く物語が進行する。
何度かあったように*2Aパートを短く終わらせてBパートに尺を使うのかと思えば、原作では解決策としてだけ提示されたジャイアンのテレビ局入りを長く描写。エグザイルや韓流アイドルをジャイアンが真似て遊んだりする。原作では存在しなかった警備員の描写も補完。
ジャイアン本人がけっこう深夜のテレビ局で楽しんでいるため、不満を残しながら歌って予想外のオチにいたった原作と味わいが全く異なる。偶然に歌を聞いたオチもスネ夫の担当へ変更され、ジャイアンリサイタルにふりまわされた人々を描く物語となった。


Bパートは昔話を再現する秘密道具が登場。それも立体映像や仮想現実ではなく、現実を確率的に操作して似た状況を作り出す。
原作では桃太郎のような一般的な昔話をまんべんなく用意していたが、今回のアニメではのび太に涼しんでもらおうとして怪談が中心。しかも「ムジナ」のように子供が知らないような昔話が用意され*3のび太らは予想のつかない展開にふりまわされる。
目のないドラえもん等のビジュアルがけっこう怖かったし、物語のオチを踏まえた上で同種の失敗をする「耳なし芳一」を大オチに持ってきたところもまずまず。
お菊の皿」の再現映像でドラえもんのび太に惨殺され、シルエットながら血が飛び出したのは少し驚き。この再現パートは皿が割れる作画も妙にていねいで、印象に残った。

*1:ジャイアンリサイタル版の空き地が再現され、ジャイアンの生リサイタルも行われるという趣向。http://www.tv-asahi.co.jp/doraemon/contents/topics/backnumber/0277/top.html

*2:たとえば「バイバイン」はけっこう短い。

*3:「累ヶ淵」は子供だけでなく大人でも興味がなければ読めないだろう。しかも他の怪談と内容がかぶっている……