法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『青の祓魔師』第23話 真実

綾波レイ以降に林原めぐみが見せる、浮世離れした者らしい独特の演技によりかかったような話だった。
あたかも『南総里見八犬伝』のごとく合意の異種姦で主人公達が生まれたという驚愕の真相だが、Bパートだけで全ての経緯を見せるのは、あまりにも描写が短すぎる。母がサタンに共感できた感情ラインがほとんど見えない。
回想序盤の悪魔憑きとして嫌悪される姿をもっと強調し、一方でサタンのこの世に対して持っている葛藤も深く描くべきだった。うまくすれば、逆に印象に残る名作ともなりうる題材だけに、過去の物語から引いたようなテンプレートを並べるに終わったのは残念。


思い起こせばアニメオリジナルと聞く序盤の料理回やイカ怪獣回も、憎めない悪魔が人間と和解することがテーマではあった。アニメはアニメとして相応にしっかりシリーズ構成しているのだとは思う。
むしろ原作の展開を中途半端に引き続けているのが問題かもしれない。2クール目以降は完全にアニメオリジナルで展開するくらいの冒険をした方が、全体のバランスは良くなったのではないかと思う。