法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

そう、一が全とは限らない。あらゆる意味で。

以前に何度もダブルスタンダードな態度を問いただし、ようやく回答をもらったと思えば開き直りでしかなかった*1、ちくわ氏の話だが。
http://www.tikuwa.com/sc/2009/07.html*2

しかし、個人の犯罪を組織の犯罪に摩り替え、“9条護憲派は殺人未遂犯だ!”とほざいたクズウヨ共とJSF氏を同列になぞらえて批判する辺りの様子を見ていると、橋下支持をしただけで橋下が起こした犯罪的な言動全てを容認したかのように、“橋下支持者は犯罪者に近い”なんつーてオレを責めたのは一体誰でしたっけと思ったのは、きっとオレの勘違いじゃないハズ。

名指しされていないので、あるいは私のことではないかもしれない。ちくわ氏は自説の根拠や批判対象をまともに提示しておらず、まさに自身のいう「妄想と憶測と都合の良い情報ソース」でしか語っていない状態だ。
実際、ちくわ氏の記事は複数意見を粗雑にまとめ、勝手に矛盾を読み取っている感がある。たとえば「改憲派憲法を改正して日本をぶっ壊そうとか、軍拡路線に進もうとしている極悪集団という頭しかないのであれば、それこそ護憲派が一つではないと論じた誰かさんの脳味噌の中身は全くのダブルスタンダード」と書かれているが、先日に私は「護憲論には、様々な考えがあり」と書いた当の記事で「改憲論にも様々なスタンダードがあることも示唆した」とも書いている*3。また、JSF氏に対して「護憲派に対する改憲派のように扱」った者について書いているようだが、私はJSF氏らが改憲派でないと成り立たない記述はしていない。
さて、必ずしも私のことではないにしても、ちくわ氏は自身の過去をすっかり忘れているようなので、釘をさしておこう。以前に、そうだよ、想像するんだよ - 法華狼の日記道徳を話に持ち出しながら罵倒をくりかえす人について - 法華狼の日記で、私は橋下徹弁護士の行った加害行為に注意するよう求めた。しかしそれは、ちくわ氏が「普通の人間は被害者の側にこそ立ちやすい」*4といった表現で自らを規定したことに対し、懲戒請求扇動裁判で橋下弁護士を応援した立場の自覚を求めたものだ。
ちくわ氏は「被害者の側」や「加害者の主張を優先して」*5といった立ち位置を、誰が先に俎上にしたか忘れている。ざっくり要約すると、ちくわ氏は勝手なスタンダードを私へ押しつけておきながら、そのダブルスタンダードを指摘されると話をそらし、いつのまにか勝手なスタンダードを押しつけられたという被害者意識に浸っているわけだ*6笑い話にもならないが、被害者意識しか持てないという幼稚な一貫性はあるといえるかもしれない。実のところ、過去に書いたことを都合よく忘れているだけだろうとは思うが。


ついでなので、『ヘタリア』がらみで返答したころに読んで、あまりの内容に愕然として言及する気すら起きなかった記述を批判しておこう。ちくわ氏は二重三重に誤りをおかしている。
http://www.tikuwa.com/sc/2009/01.html*7

■韓国は「性犯罪大国」? 被害者支援体制も充実(Yahoo)
 人口比率で見れば、世界で一番強姦被害が多いという韓国。
 一方、アンチ嫌韓の人は、都合の悪い記事は一切読まなかった。

まず、ちくわ氏は統計の見方というものがわかっていない。報道記事自体は以前にscopedog氏が批判を加えていたが*8、補足的に説明しておこう。
基本的に性犯罪は親告罪であり、被害の告発方法が整っている社会では、見かけの性犯罪率が上昇する傾向にある。たとえば、男尊女卑が根強く残るイスラム圏では滅多に性犯罪が起こらないことに数字上ではなっている。逆に性犯罪率が北欧圏で高いように見えるのは、性犯罪の幅が広く、立件もしやすいからだ。韓国も同様で、記事で紹介されていたように被害者保護の政策が進んでおり、社会が被害者の声を受け入れやすくしている*9
立件件数と認知件数に差があり、各国で法制度も大きく異なる性犯罪率を、単純に数字で比べてはならないのだ。ちくわ氏を少し擁護するなら、元記事からして説明不足だった。
続いて、ちくわ氏は国家の性犯罪率に言及する意味を思い違いしている。ちくわ氏は『ヘタリア』の一部読者を批判することと韓国擁護することの区別すらできなかった*10ので「韓国擁護」なるものの実態は判然としないところがあるが、たとえ別の話題で韓国を擁護したとしても性犯罪率へ言及する必要はない。
もちろん韓国を擁護するとしても、性犯罪率の高さをことさら否認する必要はない。たとえ性犯罪率が民族固有に高い結果が出ても、それが差別の理由になるはずはない。統計で人種や民族を選別して優劣をつけようとする態度はナチスドイツへ繋がる道だ。
そして、ちくわ氏が掲示板から引用した文章で、ついに優生学と変わらない内容が飛び出す。
http://www.tikuwa.com/sc/2009/01.html*11

>「文化的な違い」らしいですよ<小学生「が」レイプ http://kuyou.exblog.jp/3394803/
>昔ながらの道教が今でも続けているのはいいが、一緒に“男尊女卑”の精神も根付いているせいで、女性は犯された事が世間に知られると同情されるのではなく下卑されると思い込んでしまい喋らない。男は『女は告発しない=男に見つからなきゃレイプし放題』と身勝手な思い込みの為。正に負の連鎖状態だとか。>韓国。
姦国人はあれですよね、文化的とかじゃなくてきっと、強姦遺伝子的なものが塩基配列に組み込まれてるんですよ。/ブリーチはもしかして、場面転換の度にオリジナル話を入れる気なんじゃ…


 文化的な違いなら仕方ないわな(笑)。


 つか、レイプ文化のくせに処女信仰とか、無茶云うよな。
 だからこそ、世界中からバカにされてんだけど、その辺りの理解に関して、当のチョンはともかく、左巻きのアンチ嫌韓な人たちも理解してないのが如何ともし難く。


( ´Д`)「人間、都合の悪い事は認めたあらへんっちゅー話やね」


 まあ、他人の言動ですら、本人の思惑を無視して勝手な解釈をして、それが正しいと論じる人たちだからねえ。ドキュソ国家を擁護するのが、ある意味でそれ以上のキチガイっつーのは、何ともはや(笑)。

まとめて引用しているとはいえ、否定もせず同調するように返答していることから、ちくわ氏自身も同様の考えと受け取るべきだろう*12。人間として通じそうな言葉が思いつかない。もし冗談だとすれば、これは発言者と引用者の心象が大変に興味深い“冗談”だ。
こうした発言を堂々と公開された場で行っている姿に愕然としたわけだが、この時点では、あくまで一部のやりとりでしかないと思うこともできた。しかし少し後に商業出版書籍で同様の発言が出たため、もっと状況は深刻かもしれないと思った。すまされない冗談ですまされる状況ですらないのではないか、と。問題の書籍とは『マンガ嫌韓流4』だ。
社会生物学の典型的誤用例。 - *minx* [macska dot org in exile]
http://d.hatena.ne.jp/usoki/20090429
すでに上記エントリ等で批判が加えられているが、送り手の暴走として完結するかもしれないという楽観意見もあったようだ。しかし、受け手にあたる層では先んじて同様の発想が生まれていたのだ。


ちくわ氏に対しては、誠実な返答を望まないわけではないが、もはや期待はしない。
しかし、JSF氏に賛同する人々が、ちくわ氏に対してどのようなふるまいをするのか、興味深く感じている。無視するにしろ、切断処理するにしろ。

*1:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20081106/1226009174と、対するhttp://www.tikuwa.com/sc/2008/11.htmlから11月7日の記述を参照のこと。なお、ちくわ氏のサイトは成年向けなのでリンクを踏む時は注意。以降のリンクも同様。

*2:7月27日の記述。

*3:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20090723/1248303863

*4:10月16日の記述。

*5:この言葉が、弁護士に対して批判する文脈で使われていることに改めて驚く。

*6:もし第三者の話だとしても、自身が勝手なスタンダードを私に押しつけたことを忘れていることに変わりない。

*7:1月26日から引用。産経記事に対する感想で、記事へのリンクは引用時省略。

*8:http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20090107/1231345337

*9:ちなみに、韓国が近年まで国民の人権をないがしろにした軍事独裁国家であったことや、現在でも徴兵制が続いていることを性犯罪率が高い理由と指摘する人もいる。少なくとも民族性に原因を求めるよりは説得力のある考えだ。

*10:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20090128/1233184837の注記、「ちくわ氏が2択しか想定できない問題は、2009年1月23日のaniotahosyu氏批判でも見られる」以降。

*11:1月28日から引用。サイト掲示板へのコメントを引用しながら返答した記述。太字強調は引用者。

*12:ログを見る限り、考えに合わないコメントには反論したり切り捨てたり諌めたりしているので、この時だけ見逃したとも考えにくい。