法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『獣の奏者エリン』第11話 とびらの中に/第23話 カザルムの誓い

第11話は、本放送で見逃した回を深夜再放送で視聴。開かずの扉に学術書が隠されていたという展開は、以降の回を知っていると驚きが薄い。
卵泥棒との合流など、本放送で感じた様々な描写不足感は解消されたものの、こういう連続的な物語は、やはり順番通りに見るべきだった。


第23話では、前話で手引書にしたがわず結果を出したエリンが問題視される。手引書が真王の権威と密接に繋がっているため、ただの飼育方法を超えた意味合いがあったのだ。
王獣と闘蛇の関係が、そのまま真王と大公の関係となる、架空文化史として面白い設定だ。説得力があるし、暗喩表現としても深みがある。やや説明台詞にたよっている問題はあったが、会議場面は嫌いでないので、個人的には受け入れることができた。
あと、全ての学友と教導師がエリンを迎える結末は青臭かったが、エリンが到着するまでに意見をまとめる時間が示されていたため、不自然さは抑えられていた。マイノリティを学び舎が受け入れる光景は、現実にもありうる奇麗事ゆえの美しさがある。……まあ、ちょっと主人公特権に見えない工夫もほしかったけどね。