法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『Yes!プリキュア5GoGo!』第41話 アクセサリーに込められた思い

画面の見映えで演出の甘さが救われた回。
キャラクターデザインの川村敏江が久々に本編で作画監督。全般的にキャラクターが整っていて、アクセサリーや美男子とのデートといった華やかさが求められる要素を画面で支えていた。フィリピンスタッフと思しきアクション作画でも空間を広く取った空中戦が楽しめる。縦横無尽に伸びる触手的攻撃は同日のガンダムにも引けを取らない。
しかし、演出は川田武範が担当し、全体的に薄い。多数のキャラクターが同時に画面へ映ると、とたんにテンポが悪くなる。せっかく作画が良いのに、あいかわらず飛び蹴りばかりな殺陣をつけている点もつらい*1


物語面では、脚本の技巧に感心した。アクセサリーをつける意味を問いかける冒頭から玩具の販促に繋がり、敵幹部のキャラクター性を示し、シリーズ全体の争奪対象を再確認し、しかも主人公側のドラマまで掘り下げた職人芸。
冒頭のキャラクターが話に回収されたことも予想外で、けっこう驚けた。しかし、あまりに外見上の年齢が離れすぎていて、作中の説明を額面通りに受け取れないのが正直な感想。少女マンガ的ではあるのだが。

*1:飛び蹴りは、止め絵をスライドさせる程度の手間しかかからないので、作画リソースが期待できない場合に画面を保たせるため有効な技法ではある。だから、作画に期待できなかった時代に演出家として育った川田氏が多用する理由もわかる。