法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

文脈を読むということ、表現の自由は何かということ

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あいかわらず読解力はないし、根拠も出せない。説明したと宣言すれば説明できたことになると思っているようだ。
しかし、最終的に以下の「持論」を明言させたことは個人的に収穫だった。

自ら情報を作り出すのではなく、既存の情報をいかに正確に無加工で伝搬するかに血道を上げている、まるで通信ケーブルのような人間(笑)。俺にはそういう人たちの生き方の何が楽しいのかさっぱり理解できないが、当人たちがそれが楽しいというならケチをつけるような無粋なことはしない(苦笑

俺の持論は「根拠のないことを大いに言うべき」だからねぇ。上にも書いたとおり根拠のあること(すでに他人によって論証されている事柄)をコピーして何が楽しいのやら。

まず、根拠を示すことと情報を作り出すことが相反すると思っているらしいことに驚いたが、情報を探したり広めたりすることの価値が理解できていないことにも首をかしげた。
何にしても、要するにメカAG氏の発言は「根拠のないこと」ばかり。本人がいっているのだから確実だ。議論においては敗北宣言以外の何ものでもない。これからメカAG氏の主張に反論する人は楽だろう、根拠がないことを指摘するだけで充分なのだから。
しかし情報を作り出すといいながら、メカAG氏の発言に大した独自性があるわけでもないということも皮肉だ。何度も書いたが、発言の多くが一つの典型例でしかない。


前後しつつ、いくつか興味深い発言を引用しておく。

ネットでは煽り文句に拒絶反応を起こし、少しでも不快な文言を相手の発言に見つけると、「こんな人とは二度と議論しません」という人が少なくない。まあ、それは人それぞれだからその人の好きにすればいいと思うが、俺はむしろそういう文言をあえてたくさん並べてみることにしている。
つまりそういう文言に心乱される事のない人間こそがしっかりとした議論が出来る人間だと考え、一種の踏み絵にしているわけだ。経験的にこの選別はかなり有効だ。煽りに腹を立てて席を立つ人間というのは主張のないようも誰かの受け売りで凡庸で陳腐なものが多い。

ま、この人は煽りに大はしゃぎで反応している様子から、主張の内容も推して知るべしだ(苦笑)。実際内容がほとんどないんだよね。俺の文章の引用ばかり目立って、当人が書いている部分は何割なのやら。

あえて煽り文句をたくさん並べているなどと、自身の文章内容に情報量が薄いことを白状しながら、相手に「内容がほとんどない」という。自身にこそ当てはまる批判をしてしまう典型例。煽り文句への反応を見て議論する態度自体が、相手の態度と主張の正当性をきりわけられないことも白状している。
「煽りに腹を立てて席を立つ」などと書いているが、「根拠のないこと」と「煽り文句」ばかり多いに主張しながら、相手から呆れられないという自信がどこから来るのかも興味深い。
なお、煽り文句をたくさん並べるような薄い文章から、文脈を損なわずに引用するには長文にせざるをえない。メカAG氏が文章をあまり推敲してないためか*1、一文がやたら長いという理由もある。個人的な経験では、自身が発言の根拠を示せない場合、相手が根拠を示していることをもって当人の主張がないと言い出す人は意外と多い。懲戒請求騒動で言及したちくわ氏もそうだった*2


さて、メカAG氏がていねいな引用をしないのは、自覚しているかどうかは不明だが、相手の論旨をねじまげるため。死刑制度がらみの発言を追っていくとわかりやすい。

「死刑制度は減っている」から「宗教の名の下での殺人も減るはず」というのはUFO信者並みの論理の飛躍がなければ結びつかない、といってるのに対して、「宗教の名の下での殺人」に関して「死刑制度が減っている」事柄に言及しなかったからといって、それを無知だといわれても困るんだけどねぇ。飛躍なしには結びつかない事なんて無数にあるじゃん。それを全部いちいち言及しないと無知ってことになるの?なんか小学生の屁理屈ですな(苦笑)。

ところが死刑制度の存在に言及したのはメカAG氏が最初だ。
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社会規範や経験則、社会倫理とは社会の安定にある。人を殺さないためにあるのではない。社会のためなら人を時には殺すことも必要なのは、戦争や死刑制度があることからも明らかなはず。

これに対して死刑制度のない国が増えていることを指摘したのであって、「宗教の名の下での殺人も減るはず」などという主張に飛躍させたりはしていない。
カギカッコにくくっているが、該当する文章を書いたことはなく、引用文ではない。つまり「宗教の名の下での殺人も減るはず」などという文章を相手が書いていないことも誤魔化しているわけだ。


メカAG氏は論点をずらしていくことも多かった。
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> そもそも作中の人類ですら、「ファニちゃん」は一般的な意味での「知る」が使用目的ではなかったし、「ダーウィンズ・ガーデン」はゲーム的な扱われ方をしていた。


あなたのいう「知る」という意味が、俺が使っている「知る」という意味よりもだいぶ狭いのが問題なんだよ。ゲームとはゲームの中のキャラの反応を「知る」ことで楽しめる。あなたは「知る」ということをなにやら事務的な調べ物みたいなことに限定しているのだろうけれど、「知る」という事の本質はコンピュータから何らかの情報をい取り出す行為すべてをさす。

「知る」の「本質」は「情報をい取り出す行為すべて」という。
しかし最初にメカAG氏が「何かを知るために」という要約をしたのは、下記の文脈でだった。
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ところで我々のこの世界はすべてシミュレーションではないか?という話は沢山あるが、神が何かを知るために作ったシミュレータであるというのは、銀河ヒッチハイクガイドからの着想なのだろうか。

つまり、特定のSF小説との共通項を求める、極めて狭い意味だったわけ。だからその要約は間違っていると指摘させてもらった。
単なるデータの入出力という極めて広い意味なら、「神」に擬される存在が世界をシミュレーションした設定を持つ作品の相当数が当てはまる。『神は沈黙せず』作中で言及された『フェッセンデンの宇宙』もふくまれるくらいだ。
メカAG氏は『神は沈黙せず』が『銀河ヒッチハイクガイド』を参考にしたと主張したかったらしいが、神が人類からデータを引き出すという広い意味では関連性も薄い。作者が意識した可能性があるとしても*3着想を得た特定作品とはいえなくなるだろう。


メカAG氏は、南京大虐殺がらみで、このようなことも書いている。
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> もし歴史について詳しくないのなら、言及しなければいいだけのことだ。


どうもゆがんだ社会観をもっているのはあなたのようだね。あなたの論調だと南京大虐殺否定論批判は「正しい」のだから、妨害活動をやってでも否定論者を黙らせることは許されるのだ、と言う理屈だ。言論の自由を否定しているわけで、俺の数千倍も危険な思想の持ち主ですな。

全体では「南京大虐殺否定論を批判することくらい、当然の行為だと認められないだろうか。もし歴史について詳しくないのなら、言及しなければいいだけのことだ。」*4と書いたのであって、批判を認めるべきというだけの話だ。批判されたくないのならば、言及しないというだけでなく、詳しく知る努力をする選択肢もある。「根拠のないこと」を書くしかないメカAG氏には無理な相談かもしれないが。
しかし、ほぼ同時に、メカAG氏はこのような発言もしている。
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> これも怠惰な現状追認でしかない。「戦争や死刑制度」があるからといって「必要」という論理は奇妙だ。


ホント陳腐だな〜。普通こんな陳腐な反論しかできないなら黙っている方を選択すると思うのだが。奇妙でも何でもなく社会制度は必要だから存在しているわけで。

現状追認批判を「陳腐」といい、現状追認発言をくりかえすだけで具体的に反論できていないのは、さておこう。
「普通こんな陳腐な反論しかできないなら黙っている方を選択すると思うのだが」というメカAG氏の主張は、「詳しくないのなら、言及しなければいいだけのことだ」よりも言論を制限する。「怠惰な現状追認でしかない」*5という批判を全て封じようというのだから。
怠惰さを批判されただけで「表現の自由」をかかげて抵抗しつつ、自身は相手の表現を制限しようとする。表現の自由」を自分だけは批判されないですむ権利と勘違いしている典型例。
ちなみに、南京大虐殺否定論のような悪質なデマは、現実でも訴訟の対象になることがある。東中野修道氏が証言者を名誉毀損した件で訴訟を起こされ、原告が勝利し続けていることも知らないのだろうか。
表現の自由は、けして無制限に許されているわけではないのだ。

*1:「ないようも誰かの受け売り」のような変換ミスが多い。

*2:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20080508/1210206819「自分自身の言葉で何も語れない」だそうだ。

*3:少なくとも読んでいるだろうとも思ったが、確認できなかった。

*4:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20080929/1222736448

*5:これだけで批判しているわけですらなく、現状すら変化しているイスラム教の話題や、死刑制度についてメカAG氏の現状認識が誤っていることも示していたのだが。