法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

シャドウボクシングは現実では鍛練の意味もあるが、藁人形ボクシングには何の価値もない

『神は沈黙せず』のネタバレ量が増えているので、続きを読む方式で。
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> 批判しているつもりで、自身に最も当てはまることを書いてしまうという典型例。


脊髄反射でよく読んでないんだろうな。「それ自体は悪いことじゃない」とちゃんといってるわけで、俺とこの人との違いは「レベル」だ、と書いてるのに。

脊髄反射でよく読んでないんだろうな」。
「レベルが低い」という発言が、メカAG氏こそ当てはまるという話をしているのだが。

> 根拠を見つけられず「あえて開き直らせてもらおう」などと書く人間よりレベルが低い発言をすることは難しい。


この人の日本語っておかしいよね。開き直らせてもらうというのは、山本の作品に当該の文章がないのに「ある」と書いたミスはさておき、という話であって、根拠がないのを開き直って主張するということではない。

「この人の日本語っておかしいよね」。
「当該の文章がない」ことを、普通は「根拠がない」という。


皮肉はさておき。

だって「開き直らせてもらう」に続く話は、当該の文章とは違う話なんだからね。ホント読み込みが足りないな、この人は。

「あえて開き直らせてもらう」という発言が「レベルが低い」ことの釈明にはならない。

> 本の要約を書くべきなどと主張していない。メカAG氏の「自説」が、小説の内容と無関係どころか、全く正反対の読解をしていたり、


正反対でないことはすでに説明したし、それに異論があるなら個別の点について反論すればいいこと。反論もせずに「相手(メカAG)は間違っている」といういう主張の仕方をする人は困るね。

「だから必然的に山本の作品の内容とは一致しない」*1が説明というのであれば、どう読んでも「正反対でない」という反論にはならない。そもそも「山本は両者を違うものとして書いている」*2という読解が決定的な誤りだ。『神は沈黙せず』においては「違うもの」どころか、ある程度まで同じと明示されていると指摘したのだから。

> 小説の結論を自説のごとく披露することを批判した。


違うと文句をつけたかと思えば同じと言ったり、忙しい人だ。俺の考えは山本と同じところもあれば違うところもある。それが普通なこと。

個々の点についてどれが同じでどれが違うかはちゃんと説明してあるのだから、その俺の説明で不服なら、一つ一つ問題点を指摘して反論すべきこと。

間違った読解をしているから、山本弘同様の主張をしながら山本弘批判になっていると思い込んでいて、それが滑稽という話をしているのだが。
そして文章読解部分と自説披露部分が区別していないと指摘したら、「小説そのものと自説の部分を切り分けて述べるべき、等という主張は全くとんちんかんな話」*3などと返答された。ちゃんとした説明をしているどころか、明確に拒否したことも忘れたらしい。
以前にメカAG氏はこうも書いている*4

> 結局、メカAG氏が語っているのは脳内に作った「山本弘」であって、現実の存在ではない。


これもなぁ。もちろん俺が語る山本弘は、俺が「山本弘はこういう人間だ」と考えている山本弘像だ。しかし、それは誰でも同じこと。誰もが他人を自分の認識の範囲で語っている。人が他人について語る時、それは語り手の頭の中にある人物像について語っているわけだ。

本当の(語り手の脳内でない)山本弘について語る方法なんて無いと思うけどね。本人が自分自身について語るときさえ、それは本人が「自分はこういう人間である」という脳内像を語っているのであって、本人そのものではない。

人は皆、対象そのものではなく自分の脳内でシミュレートした対象のモデルについて語っているのだ。どうだい?神沈の話とシンクロするじゃないか(笑)。

このような、まさに「陳腐」な開き直り発言する人物が「個々の点についてどれが同じでどれが違うかはちゃんと説明してある」などと書くのは、何の冗談だろうか。

優歌教が世界に広がる明るい未来を予感させるハッピーエンドを山本は意図したはず。

「はず」。土台となる根拠が妄想でしかないから、メカAG氏の話には何の説得力もない。
『神は沈黙せず』で描かれる世界は、作中で最も新しい時制のプロローグで「人にとって“真理”とは、自分が信じたいもののことにすぎない。それが本当に真理かどうかは無関係だ」*5と書かれているように、諦観が横溢している。

何度も言うけれど優歌教とは「世界中の人が正しく生きれば世界は良くなっていく」という目新しさの欠片もないものだ。

何度も言うが、その「優歌教」はメカAG氏が妄想したものにすぎない。
主人公の兄は「すべての人間がお前みたいに生きられるわけじゃない……」*6と語る。その認識に対して主人公は反論しない。「世界中」がどうであれ、「私たち」*7は正しく生きようと主張するのだ。

> だから、現在の世界には死刑制度がない国家が多くなっているという話をしたのだが。「UFOや宇宙人の存在みたい」という反応をされても困る。小説どころか現実すらまともに認識できない人だな。


察しが悪いなぁ。別に死刑制度の廃止がUFOと同じように非現実的だといってるのではなくて、「死刑制度が減っている」から「宗教による人殺しも減るだろう」という飛躍した論法がUFO信者と同じだと言ってるんだけどね。

そのような「飛躍した論法」など使ったことは一度もないのだが。
『もちろん戦争や死刑制度なしの安定した社会が無いとは言い切れないだろうが、もちろん戦争や死刑制度なしの安定した社会が無いとは言い切れないだろうが、そんなUFOや宇宙人の存在みたいな「無いとは言い切れない」話をしたところで神沈の何の足しにもならない』*8という発言が無知という指摘に対する返答がこれか。反論できないと「察しが悪いなぁ」と相手の読解に責任を押しつけ、全く違うことを主張しだす典型例。

神が不在というだけなら無神論者と同じなんだから、別に珍しいことではないし、そんなんで優歌教が既存の宗教を駆逐できるなら、とっくにそうなっているだろうに。

既存の宗教を駆逐できるなどと作品のどこにも書いていないし、知る限り作者も発言していない。
先に書いたように、あくまで結論としては「私たち」の範囲にとどまっている。

繰り返しになるけれど、優歌が到達した地点が優歌本人や作者である山本は「前人未踏の場所」だと盛り上がっているけれど、読者から見ると何ら「目新しい」ものには見えないので、しらけてしまう。

ここで「読者」と書くあたりも典型的。
しらけているのはメカAG氏であって、全ての読者が共有する感情とは限らない。

> それがSFを読めていないところ。神の目的意識は人間には想像できないという結末が理解できていない。


何を無意味なところにこだわってるのかなぁ。全く何も想像できないならそもそも作中で語られているグローバルブレイン云々だって人間である優歌の兄が推測しているのだから、それもダメということになる。

この返答で、作品を理解できていないとわかる。神が何を作ったか理解することで、何を目的としているか不明なことが証明される結末なのだから。
何を作ったかと、作ったもので何をするかは別という単純なことも理解できないのかな。

要する神沈における神は人間にある程度は理解できる存在なんだよ。神はシミュレータとして地球と人類を設置した。設置したからには目的があり、せっせと神はそれにデータ入力をしているのだから、目的は処理されたデータを取り出すことに決まってるじゃん。

「処理されたデータを取り出すこと」という目的は、「何かを知る」という目的より広い意味を持つ。反論できないので主張を後退させる典型例。
「地球と人類」はコンピュータを作るため設置されたシミュレータであって、データを認識する能力などない*9。メカAG氏の表現は、コンピュータではなく、機械言語にデータ入力しているといっているようなものだ。
ちなみにデータ入力の意味は、起動や停止に必要な作業、あるいはスリープに似た機能のためという可能性すらある。使用されないまま廃棄される運命かもしれない。「データを取り出す」という行為を神がしているかの判断すら、作中人類にとって厳密には不可知だ。
まさしく「あなたは、神沈では神のどういう部分が不可知で、どういう部分が可知に設定されているかをもう一度研究し直すことですな」という話。

ゲームとはゲームの中のキャラの反応を「知る」ことで楽しめる。あなたは「知る」ということをなにやら事務的な調べ物みたいなことに限定しているのだろうけれど、「知る」という事の本質はコンピュータから何らかの情報をい取り出す行為すべてをさす。

知る「ため」という説明を批判されて反論できず、知る「こと」に意味を変化。

俺はちゃんと個別にそれが正しいことを、かなりの手間をかけて、説明したはず。あなたと俺の認識の差は、あなたが神沈という一つの作品にのみ「山本の考え」を求めているのに対して、俺はネット上での山本の発言など、作品外の情報も考慮しているためだと思うよ。

根拠として出せない「作品外の情報」など、妄想と何も変わらない。
結局、何一つ根拠を出せず、明らかに作品の内容と反する読解しかできていない。下手な釈明に終始しつつ、主張は後退するばかり。


以下は余談。

あなた通れとは時間の感覚が違うようだね。「将来人間の言論活動はすべてネット上で行われる」だろうという「将来」というのは100年後や200年後のことではない。20年後か30年後の近い未来の話。

すでにマスメディアの主導権を取るのはネットか既存のメディア(テレビや新聞)か、という争いが現実のものとなっている。もう移行は始まっている。

近かろうが遠かろうが未来の話が過去のできごとに評価を当てはめられるという思考が興味深い。
それにしてもメカAG氏こそ未来に対して楽観的というか、何といおうか。最後の一文も笑うべきところか。

全く現状を認識してないね。匿名といえども訴訟を起こされれば、裁判所の命令で身元は開示される。損害賠償も請求される。ネット以外の世界と何も変わることはない。

南京大虐殺にまつわるサイト閉鎖で、実際に実力行使されたかどうかを問題にしているのだが。反論するために仮定の話を始めるという典型例な詭弁。
そして結局、最後まで、サイトを閉鎖にいたらしめた実力行使がいかなるものか説明できず。本当に発言の根拠というものを示せない人だな。

*1:http://mechag.asks.jp/203695.html

*2:http://mechag.asks.jp/203695.html

*3:http://mechag.asks.jp/204093.html

*4:http://mechag.asks.jp/204093.html

*5:8頁。

*6:495頁。

*7:496頁。

*8:http://mechag.asks.jp/204093.html

*9:厳密にはデータを送受していることすら確信は持てない。