法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『クレヨンしんちゃん』応援フレフレ!!おしりもフレフレスペシャル

相互に関連しない4短編。「まつたけをもらったゾ」「ギックリ腰でも食べたいゾ」は3年前の再放送。
作画監督はそれぞれ間々田益男、大森孝敏、高倉佳彦、末吉裕一郎が担当。間々田回を除き、全て一人原画回でもある。


「父ちゃんとポイントゲットだゾ」のポイントカードネタは、細々した物を買うオタクからすると素直にうなずける。小さなポイントにこだわるみさえ、目当てのカードが見つからないひろし、両者に感情移入で来てしまった。作画では、坂を飛び降りる自転車がなかなか良い。演出の指示で、劇画調に変化する絵柄も楽しい。
「まつたけをもらったゾ」は、狭い屋内で盗み食いし、無駄に緊張感あふれるシチュエーションコメディ。つまり台所の広さや物品の位置関係が明確でないと演出意図が達成できないわけだが、大森原画はしっかりしたレイアウトで充分に応えている。
「ギックリ腰でも食べたいゾ」はみさえの表情やギックリ腰に苦しむポーズ、世界観から浮かない程度にリアルな中華料理作画と、最も映像面で楽しめた。
「フレフレ少女だゾ」は新垣結衣が映画で演じるキャラクターが登場する、コラボ回。末吉原画のレイアウトや動きが期待通り巧い。新新垣キャラは声もデザインも世界観からやや浮いていたが*1、作画と演出の両面で崩して描いているのは良かった。しかし気の弱いキャラクターとして描かれているとはいえ、新垣の声に最後まで張りが足りず、応援団を演じる映画の宣伝にはなっていない気がする。


今回は、登場人物の目的が明確な物語ばかりなことが珍しい。
妻に命じられ息子と2人でポイント集めに奔走するひろし、母の目を盗んでマツタケをつまみ食いしようとするしんのすけ、ギックリ腰を我慢して中華料理バイキングに行くみさえ、応援団長らしい発声するため修行する少女、といった具合だ。
作画と演出が良いので、登場人物のモチベーションだけで物語が牽引され、娯楽回としてどれも機体以上に楽しめた。

*1:同身長の保母と頭身が異なるので、同一画面に入ると違和感がぬぐえない。