法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

従軍慰安婦に拍手

大手サイトで、従軍慰安婦制度をめぐるWEB拍手のやりとりがあった。
放蕩オペラハウス*1

9.
46> 従軍慰安婦を用意した軍隊が「紳士的」ってのは、やはり空しいですね。所詮は戦争なんですね。


まずは「娼婦が卑しい職業と看做すかどうか」というところから話が始まってしまう(笑)

1.
a. >9 いつも思うけど大佐の切り返しは冴えてますなぁ…。
b. >9 結論。「女性は偉大」。
c. >9 無理矢理拉致って働かせるとかだとアレだろうけど、ちゃんと手続き踏んで募集した上で給金も払って、きちんと管理、運営されてる施設での事ならやっぱり「紳士的」なんじゃね?売春自体がいかんってんなら某平和の祭典でも色んなところから集まってくるわけだしさ(笑)
d. >9 でも、日本軍が慰安婦なる娼婦にお金払った額は大和2隻分だったけ。軍人より高給取りで。
e. 職業の貴賎は、時と場所で全然変わりますからね。医者も下層階級の時もあれば、誇れるときもある。娼婦も同じです。でもビッチは違う。
f. 9<まあ、用意がなくても紳士的な軍隊も存在したし、従軍慰安婦相手にだったら何してもいいわけでもないし…要は教育と用意するなら慰安婦の保護徹底が大事よね
g. 9> 娼婦というか、現代のそういう仕事をしている人の中には自分の仕事に誇りを持っている人も居たりしますからねぇ。従軍慰安婦と軍人の恋愛とかあったのかなぁとか妄想してしまった。
h. >9、給料が幾らだったか調べてから言って欲しいな


g<あったよあったよー。いい仲になって身請けしたりとかもねー。

1939年に麻生徹男軍医少尉が慰安所ではない本来の慰安施設、さらに娯楽施設を設置するよう提案したが、ほとんどかなわなかったという*2。米英軍がおおむね軍紀がよく、大規模な慰安施設を必要としなかったのは、休暇制度が確立されていたおかげだった。従軍慰安婦制度とは、充分な休暇や娯楽を与えない代わりに慰安婦ばかりあてがうという、軍隊においては姑息なシステムにすぎなかった。
軍事関係に興味があるワダツミ氏なら知識として持っていてほしかったし、あまり興味がないのであれば言及しないでもらいたかった。つらい環境に置かれていた将兵のためにも。


WEB拍手過去ログには残らないらしいが、アクセス数の多いサイトなので、念のためメールフォームを送っておいた。載るかどうか不明なので記録しておく。

暴力で慰安婦にした白馬事件というものがあります。被害者父の抗議で閉鎖しましたが、関係者は処罰されず。他、軍が管理する施設なのに未成年や前借金という当時も違法な状況が見られました。大和二隻分なる給料も現実に払われたわけはなく、口約束された場合があるだけです。>1

書ききれなかったが、そもそも従軍慰安婦問題は日本軍に限ったことではない。
陸軍省のような軍中央に近い各機関が連動して性的慰安施設を作っていた例は日本くらいだが、他国の軍隊でも似た事例は多い。多人数を短期間で相手にしなければならないため女性の負担が激しく、やはり事実上の強要をしなければ徴集できなかった*3

*1:それぞれ9月8日と9月9日。太字強調がサイト管理者ワダツミ氏の返信。

*2:吉見義明『従軍慰安婦』53頁。

*3:吉見義明『従軍慰安婦』208頁によると、ドイツ東部占領地では強制労働か軍専用売春宿かを選ばせるという、究極の選択が行われていた。