法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

裁判の難しさが骨身にこたえた人々

シミュレーションとしての裁判は現実にも行われている。安田弁護士が最高裁を欠席した理由の一つも模擬裁判の準備だった。
そうして裁判員制度導入を見越して想定された模擬裁判が全国で行われた。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/50972.html

 裁判員制度の実施に備え、被告が捜査段階の自白を撤回して無罪を訴える想定の模擬裁判が全国50地裁のうち、少なくとも45地裁で実施され「証人尋問や被告人質問の内容や用語が難解」「時間不足」などと審理方法の改善を求める要望の多いことが22日、共同通信社の7月末現在の集計で分かった。

 自白の任意性、信用性が争われる公判は、複雑化、長期化しがちで「時間的制約の多い市民が加わる裁判員裁判で最も難しいケース」とされており、今回の結果はこうした“危機感”を裏付ける形となった。

 題材は各地裁とも共通で、現金を盗まれたため取り戻そうとした被害者が被告らに殴られたとする強盗致傷事件。被告は公判で「捜査官に『罪を認めればすぐ釈放される』と誘導され、うその自白をした。本当は殴っていない」と訴え、罪を認めた捜査段階の供述調書とどちらが信用できるかが争点となった。

 裁判員役からは「議論が難しい」「検察官の主張はまとまり過ぎていて信用性に疑問を持った」「調書より目の前で話す被告の供述の方が信じられる」などの感想が出たという。

状況設定といい、光市母子殺害事件との関連性を想起させられてしまう。全くの無罪主張ではなく、検察主張の一部に反論している点もそっくりだ。
罪状を部分否定することが、どの立場であっても難しいのは確かなようだ。