法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

その感情を否定はできないが同調もできない

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007063001000315.html
京都学習塾殺害事件で、無期刑を求めて遺族や支援者が署名を集め、嘆願書を提出するという。

 京都府宇治市の学習塾で2005年、小学6年の堀本紗也乃さん=当時(12)=が殺害された事件で、遺族や支援者が6月下旬から署名活動を始めた。殺人罪などに問われた元アルバイト講師萩野裕被告(24)の1審京都地裁判決は懲役18年。大阪高裁の控訴審無期懲役判決を求め、7月初旬にも京都地検に「嘆願書」として提出する。

 地方公務員の父恒秀さん(44)は事件後、01年に大阪で起きた校内児童殺傷事件の遺族らと会い、助言を受けて署名を始めることを決めた。支援の輪は地元の保護者仲間や職場の同僚、上司に広がりつつある。

これもまた、厳罰化の道筋に組み込まれていくのかもしれないという不安がつきない。
当て逃げ動画公開事件や、山口母子殺害事件裁判の経過を見る限り、確信に近くなっている。

1審の公判をすべて傍聴した恒秀さんは「紗也乃は周到に用意された計画的殺人の被害者」と話す。それだけに、完全責任能力を認めながら有期刑とした判決に納得できない。「なぜ求刑通り無期懲役にならないのか。控訴審では犯行に至るプロセスを十分解明してほしい」

検察側の求刑通りで進行してはならないから弁護士がいて、裁判という手続きが存在する。そういった規範を受け入れられることが、犯罪者とそうでない者を別ける。そもそも検察にしても、判決が必ずしも求刑通りにならないということを念頭に置いて活動しているだろう。
ただ、法治国家の限界を知った上で堀本恒秀氏は動いているように思う。裁判所や弁護士に対してではなく、あくまで検察に嘆願書を提出する辺りもそう感じさせる。求めているのも検察求刑の無期であり、死刑ではない。だからこそ、刑罰を見世物として楽しむ欲求に利用されないことを願う。


それにしても、この遺族や支援者の行動は、明らかに自己の主張を通そうとして運動している。
対して、山口県母子殺害事件をめぐる場において、安田弁護士は死刑制度反対といった主張をいっさい発言していないのに、反対運動をしているといわれている。
犯罪報道に見られる偏向が、不安をいや増す。裁判員制度の導入が身近にせまっているというのに。