法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

詐欺容疑で裁判にかけられていた遺族会会長が無罪確定

従軍慰安婦問題を初期に報じた植村隆記者の義母ということで、朝日新聞批判にも用いられていた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140403/plc14040314250015-n1.htm

 この遺族会の元会長、梁順任(ヤンスニム)氏は、3年8月に「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口開く」という事実関係がすり替わった記事を書き、慰安婦問題の火付け役となった朝日新聞記者の義母に当たる。これももう、周知の話だといえよう。

 この梁氏らが23年5月、日本政府などから補償金を受け取ってやるといって弁護士費用などの名目で約3万人の被害者から会費15億ウォン(約1億2千万円)をだまし取った詐欺容疑でソウルの警察当局に摘発されたと報じられたので、その後に注目していた。

 そして、今年2月になって梁氏の関係者は7年6カ月の実刑判決を受けたものの、梁氏自身は証拠不十分で無罪となったと知った。

もともと2月に地裁でも無罪判決が出ていたが、高裁でも無罪判決が出た上、検察が控訴を断念したという。
詐欺罪に問われた太平洋戦争遺族会会長 無罪確定=韓国

日本植民地時代に強制動員され、日本で犠牲となった韓国人被害者の遺族から現金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた梁順任(ヤン・スンイム)太平洋戦争犠牲者遺族会会長(70)の控訴審で、ソウル高裁は29日、無罪を言い渡した一審判決を支持し、検察の控訴を棄却した。検察が上告を断念したため無罪判決が確定した。

これは単に有罪が立証できなかったという話ではない。
むしろ名前を利用された一種の被害者であったこと、むしろ容疑内容に相反する主張をおこなっていたことが認められたのだ。

 ソウル地裁は今年2月、60代の女性に対し、「1900〜30年代に生まれた人の遺族なら補償金を受け取れる」などとだまして金を受け取ったとして、懲役5年4カ月の実刑判決を言い渡したが、梁氏は無罪としていた。

 高裁は「梁氏が訴訟団募集活動を手助けし、結果的に他の詐欺犯に対外的な名分を提供したとみる余地はある」としながらも、「そのことだけで詐欺の共犯とみることはできない」と判断した。また、「梁氏は訴訟を担当した弁護士に『一定の年齢の条件だけが整った犠牲者の遺族なら補償を受けられるという認識が変わらないのが問題』という趣旨の話をした」と指摘。「(遺族をだまそうとしたわけでなく)むしろ(会員)募集担当者に実際の被害者だけを対象に合法的な募集活動をするよう働きかけていた」とした。

「訴訟を担当した弁護士」というのが少しわかりにくいが、これは詐欺的に会費を集めたという「対日民間請求権訴訟団」での話だろう。年齢だけが基準と騙したはずなのに、当の本人は年齢が基準であってはならないと主張していたわけだ。
もちろん一定の責任がある立場として、名前を利用された脇の甘さを批判することはできるかもしれない。しかし、国家に対して推定無罪の適用を主張する人は、個人に対して推定無罪を適用できていただろうか。はなはだ心もとないものを感じている。