広島平和文化センターの理事長人事のこと - good2nd
中韓の委員云々については、あの記事だけではちょっと意図はわかりませんが、もし中国・韓国の人々に「原爆が戦争の早期終結に役立った」と考えている人が多いなら(日本人にだって結構いると思いますが)、彼らに対してそうではない、そのような結果だけで広島を捉えてしまってはいけない、と伝えるためには、中国・韓国の専門家としっかり話し合うべきです。
指摘されていないが、中韓から委員を迎えるという新理事長のアイデアには、別の意味もある。たとえば、韓国人にも被爆者がいるのだ。それを指摘する人の少なさが、逆に在外被爆者が二重に抑圧されてきた状況を示しているといっていいかもしれない。
ちょうどこのような報道もあった。
http://www.sanyo.oni.co.jp/newsk/2007/06/01/20070601010005331.html
被爆体験を継承しようと、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)が1日、在外被爆者の体験談をビデオに収録する事業を始め、韓国人被爆者2人が「運命をのろい泣き叫んだこともあった」などと被爆時の様子や戦後の苦労について証言した。国内の被爆者の証言は既に多数収録されているが、在外被爆者は初めて。
8歳の時、爆心地から約1・3キロで被爆し、5歳の弟を亡くした鄭大一さん(70)は「ドンという音がして真っ暗になった。1分くらいして明るくなったら、家が崩れてなくなっていた」と身ぶり手ぶりを交えて証言。韓国に引き揚げた後も、顔のやけどのあとを怖がられ外で遊べなかったことや、韓国語が話せず学校に通えなかったことなどを語った。
2007年度中に計10人から収録し、来年4月に公開する予定。
(強調引用者)
被爆者の受ける差別に加え、日本人でないがゆえに無視されてきた在韓被爆者。日本の起こした戦争が、韓国の植民地化が、米国の投下した原爆が何を引き起こしたか、今知られている悲惨な出来事すら氷山の一角にすぎない。