法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

優しくすると語りながら戦争の犠牲者を殴りつづけるような態度で、安倍政権は一貫はしているね……

原爆をめぐる日本の行政の動きをいくつか記録 - 法華狼の日記

総理大臣として安倍晋三氏には控訴しない判断を出してほしいところだが、記者会見でも検討中としか答えず、控訴期限まで先のばしにするようだ。

広島と長崎に原爆が投下された記念日の談話を終えた後、「黒い雨」訴訟で控訴することが発表された。
そして安倍氏自身の言葉として、控訴する判断とともに被爆者の支援をつづけるという相反する主張が出されたという。
【速報】「黒い雨」訴訟 控訴について安倍首相が発言|TBS NEWS

 「本日、上訴審の判断を仰ぐことといたしました。同時に広島県広島市のご要望も踏まえまして、厚生労働省において黒い雨地域の拡大も視野に入れ、検証することと致しました」(安倍首相)
 そのうえで、安倍総理は引き続き、被爆者に対する支援に取り組んで行く考えを示しました。

自国の戦争被害*1を救済しない態度ゆえ、非人道ぶりがきわだって感じられる。


しかし思えば日本軍慰安所制度についても、安倍政権は同じようにふるまってきた。
代表的な例として、韓国との合意で「互いに非難・批判することは控える」などと加害国に有利な記述をすべりこませながら、直後に国連で歴史学に反して加害を否認した。
日韓合意については、日本政府が過ちをおかしたか、合意そのものが過ちか、今のところ二択だと思っている - 法華狼の日記

杉山審議官の国連における主張が「本問題について」の韓国への非難になると考えるならば、日本政府は早々に日韓合意をやぶったと解釈せざるをえない。

さらに在外公館以外の記念碑建立に対しても、ウィーン条約をもちだした日韓合意では問題視できないはずなのに、日本政府は変わらず妨害をつづけている。下記の書籍にくわしい*2

また、日本を研究する外国の研究者などへ日本政府が圧力をかけながら*3、直後の安倍談話で「過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません」と語ったりもした*4
こうした建前に反する行動を同時に起こすことは、虐待にかぎりなく近い。そうだとすれば建前で嘘をついている自覚すらなく、自身が加害側だという認識すらないのかもしれない。

*1:もちろん多数の植民地出身者も原爆の犠牲になっているが、率としては日本人が多数をしめる。

*2:ここでの本題から少し外れるが、日韓合意においてある意味で右派が譲歩せずに当初の目標を達成したことを明かした能川元一氏の論考が興味深かった。

*3:その抗議として多数の在外研究者による共同声明も出された。 世界の日本研究者ら187名による「日本の歴史家を支持する声明」の背景と狙い | ハフポスト

*4:平成27年8月14日 内閣総理大臣談話 | 平成27年 | 総理の指示・談話など | ニュース | 首相官邸ホームページ