「イギリス警察 インターセプター」は、恒例となったイギリスの警察特殊部隊の活躍番組。カーチェイスなど良くも悪くもアクション映画のよう。
しかしヘリコプターが夜間に赤外線カメラで上空から容疑者を発見する映像は、驚くほどシルエットがはっきり映っていて、逆に安易なVFXのようにすら感じた。
最後に空港にむかうバスに薬物所持者がいると密告があり、かけつけると格闘家たち。おっかなびっくり調べるインターセプターにおかしみがあるし、全員が飛行機に乗りおくれると警告して自首をうながすところは学級会のよう。そうして薬物を所持していた格闘家が名乗り出るたびに周囲から拍手がおきるのもシュールだし、薬物が少量だからと今回は見逃されて空港までインターセプターが急いで送ってやる甘さもすごい。
「南米国境警備隊 &スペイン空港税関」も、恒例となった税関番組。
麻薬を密輸していたコロンビアの女性は、先日*1と同じように家族が人質にされていたパターン。脅迫されただけなら無罪になることもあるらしいが、家族にわかれをつげて何もいわず有罪になることを選んだ。
スペインでは輸入されたパイナップルにX線をかけたところ、箱にひとつだけパイナップルがくりぬかれて麻薬がつめこまれていることを発見。調べてみると他の箱もひとつずつ麻薬が入っていた。箱にひとつずつ入れるのではなく、特定の箱のパイナップルすべてに麻薬をいれたほうが異変に気づかれにくかったのではないだろうか……
「プリズン・ドックス」は、米国の刑務所で囚人たちが犬の訓練という仕事をあたえられる事例を紹介。犬はPTSDに苦しむ軍人を癒す介護犬になるという。
犬を育てるなかで少しずつ人間性をとりもどす囚人たちと、人格をこわされながら犬とふれあって人間性をとりもどしていく軍人たちがかさなるように、感動的な光景ではあった。弱い獣をかわいがるだけで人には冷酷というパターンではなく、最終的に他人を助ける目的をもって育てているのも良いのだろう。
しかし先日に他国より米国の刑務所で囚人が多いのは便利な労働力としてあつかわれるためだという情報を見かけたので、囚人が仕事をあたえられること自体に微妙な印象をもったのも正直な感想ではある。
「撮影禁止の日本では見られない法廷内で撮影されたおマヌケさんたちの呆れる行動」として、米国の裁判所の珍場面を一挙紹介。
改造車をとばしてつかまった85歳の老婆に対して、傍聴席から罰金を肩代わりする男が登場して裁判がなごやかな空気になり、老婆も罰金を男に返して車の運転をやめたり。
他には市長選の不正をあらそう裁判で、弁護人も裁判官もベテランすぎて眠ってしまい、大事な証言を聞き逃したり。全体的には軽い裁判が多くて素直に笑えた。
最後の法的手続きをする場所として裁判所でも結婚式ができるという風習には、さまざまな宗教があるからこそ中立的な場所として期待されているのかな、と想像したり。
スタジオで、たけうちほのかはレンガをもって痴漢を追いかけた若いころの体験談。警察から過剰防衛になると止められたそうだが、体格差があるとすれば何らかの武器をもつこと自体はしかたない気も。
「ピザ配達人首輪爆破事件」は、米国でおきた首輪爆弾をつけた銀行強盗の謎めいた事件を紹介。強盗犯はおどされていると主張し、警察にとりかこまれた状態で爆死した。
2003年と20年前に発生したが記憶に新しい事件で、続報を見た漠然とした記憶も漠然とあるが、事件そのものや捜査の内実をくわしく見たのは初。
事件をモデルにしたと思われる映画も複数あるが、後日に別の凶悪殺人事件で容疑者の言葉から黒幕が判明し、末期癌ゆえの暴走だったというあたりは『SAW』のよう。ややネタバレだが、シリーズの情報でほとんど真相は公開されているからいいのかな。
しかし事件の陰惨さに今回の番組テーマにはふさわしくないと首をかしげていたら、強盗の実行犯はもともと仲間で裏切られたらしいという。まるでブラックコメディだ……
「誰でもない男」は、ルーマニアからトルコへ20年うつりすんだ後に、帰国すると死亡届が出されていた男レリュー・コンスタンティンを紹介。
死亡したことにされてしまった事件は日本でも外国でも見たおぼえがあるが、ルーマニアでは役所をたらいまわしにされ、糖尿病を治療することもできない。親族も母をはじめレリューをつきはなす。
しかしレリューもまたコミュニケーションに問題をかかえた人物で、トルコから帰ったのは不法就労がばれて送還されたためだし、家族もそれなりにレリューを案じていたことがわかる。
弁護士が無料でついてくれて死亡届のとりけしには成功したが、レリューは家族と対立を深めているという後日談がなんともいえない……